旅する映画 その60 大津・彦根・信楽

滋賀県・大津友の家にて。上映会友の会有志のメンバー。
2010年8月23日。
映画祭の余韻がまだ身体の中に充満していた。私は大阪を後にして滋賀県大津へと向かう。
せっかく大阪まで来たので、10月23日の大津上映会の会場の下見、実行委員会のメンバーとの顔合わせをしようと思ったからだ。当日に向けてみんなでがんばろう!ということで。

大津友の家小ホールにて。左が代表の中居さん、中央が言いだしっぺの藤重さん。
今回の主催者は大津友の会有志の方々16名。2月の滋賀会館の上映の時、見に来てくださったのがご縁で、自主上映会を企画してくださった。

大津友の家小ホールにて。当日はここが交流の場になる。
友の会とは、雑誌「婦人之友」の愛読者によって発足した団体で、大津友の会は全国友の会の中のひとつ。「よい社会はよい家庭から」と、日々の生活をよりよくするよう実践的に励んでいる。
(大津友の会HP http://www.otsu-tomonokai.com/)

当日はこんなカレーを販売します
会場となる大津友の家はJR大津駅から歩いて5分程のところにあった。この日、10人ほどのメンバーが集まっていた。ほとんどが主婦の方々。お昼をだいぶ過ぎて到着した私は、早速当日出すカレーライスの試食。杉本さんの娘さんのレシピだそうだ。なかなか本格的で野菜もおいしいカレーだった。そして当日にむけての話をする。

私がご馳走になったランチです
しばらくして地域の雑誌・M・O・H通信の辻村さんが取材に来てくれた。辻村さんも交えて、色んな話をした。今の若い人は結婚しないとか、おせっかいおばさんがいなくなったとか・・・。それから、辻村さんが取材でまわった滋賀県内の面白い取り組みをしている人たちの話をしてくれたり。

左がM・O・H通信の辻村さん、右が宿泊でお世話になる杉本さん。
主催者がどんな上映会にしたいのかが大事な事。友の会とはどういう会なのかも一般の人に知らせた方がいいのでは。などなど、とてもいい話し合いができた。
友の会の内部では今までたくさんイベントをやってきているのだが、外部の人を巻き込んでやるイベントは初めての試みだそうだ。

チケットはもう出来上がっていた。
なんだかんだで、終わったのが夕方。中居さん、藤重さん、杉本さんと駅前の中華料理店へ夕食を食べに行く。琵琶湖が見える丸テーブルに座り、今までの上映会の話やお酒の話などをした。酒飲みの私に、あまり飲めない中居さんと藤重さんがビールを付き合ってくれた。「全部飲めなかったら私が手伝いますから。」と私は言った。ふと見ると二人ともグラスが空になっていた。そして中居さんは結構飲めることが判明した。お料理とお酒と話でとても楽しい時間を過した。大津友の会の面々はそれぞれ個性的で面白いということがわかってきた。
私が「ところで、打ち上げはどうしますか?」と質問すると、「今までそんなことやったことないわ。でも今回はあらかじめみんなに声をかけてやってみましょうか。」ということになった。
いい上映会にして、うまい酒をみんなで飲みたいと思う。
友の会ではイベントや集まりがあっても飲むことはあまりしないそうだ。それはそうだ。みんな家庭の主婦で家に帰って家事をしなくてはいけないのだから。
そしてこの日、杉本さんのお宅にお世話になった。ご主人と娘の実保さんにごあいさつ。ベランダの木のテーブルで琵琶湖を見ながら、うまい地酒をご馳走になった。奥さんの啓子さんはもの静かでいっしょにいて心地よい方。ご主人は話が好きな気さくな方だった。実保さんは自宅で指圧院や料理教室などをやっている。
10月もまた杉本さん宅にお世話になる。
翌日、実保さんの指圧を受ける。疲れていたので身体に効いた。そして杉本さんと実保さんと3人で遅いランチを琵琶湖の見えるカフェでご馳走になる。
大津駅まで送っていただいた。10月またお会いできるのが楽しみだ。
2010年8月24日・25日。
せっかく大津まで行くのだから、彦根に足をのばし、奥田さんや他の彦根上映実行委員会のみなさんに会って、東京の上映のことやら色々話をしたいなあと。

「とばや」若旦那の和田さん
宿はもちろん花しょうぶ通り商店街の「とばや」。和田さんが私を「とばやファミリー」と認定してくれた。若旦那も看板娘の母さんも元気に迎えてくれた。この母さんのファンも多いだろうと思う。ほんとこの宿は自分の部屋に帰ってきたかのように落ち着くのだ。奥田さんともゆっくりとその後の話ができてよかった。

左から、奥田さん、林さん、出口さん、私、仁張さん
25日の夜には、彦根上映会の時のメンバーが居酒屋に集まった。七本槍をしこたま飲み再会を祝した。ここの店は地産地消を推奨していて、お米の生産者と品種が明記されている。土鍋で炊き上げたご飯が鍋ごと出てくる。
仁張さんは、明日あたりから稲刈りが始まると言っていた。今が一番ハードワークなのだろう、前に会った時より痩せていた。大将は相変わらず明るく楽しくよく飲んだ。嬉しく楽しい夜だった。
花しょうぶ通り商店街の中にある「ルワム」。彦根上映会の時に協力をいただいた。店主のあきさん。かき氷がおいしかった。

信楽高原鉄道
2010年8月26日。
せっかく滋賀に来たのだから、前から行ってみたかった信楽の朝宮茶の大谷園の畑を見にいくことにした。滋賀会館、彦根での上映の時会場でお茶を出してくれた大谷さんのご実家のお茶畑を一度見てみたいと思っていた。
奥田さんも一緒にいくことになった。彦根から草津。草津から草津線で貴生川。貴生川から信楽高原鉄道で信楽まで。ちょっとした小旅行だ。高原鉄道は途中本当に山を登ってゆく感じだった。

大谷衣里子さん。大谷園の若嫁。
信楽駅に着くと、大谷さんが出迎えてくれた。そして先ずはランチ。駅から少し離れた感じのいいカフェに連れて行ってくれた。
ランチを食べながら、三人で結構な時間話し込んだ。いつもバタバタとしたイベントの時に会うので、じっくり話すのはこれが初めてだった。大谷さんは、ご両親がつくっている朝宮茶をもっと多くの人に知ってもらい、お茶を味わって欲しいと思っている。そのために何かしたいと考えている。
信楽と言えば焼き物。狸はそこらじゅうで見かけた。これは大谷さんの庭の狸。
大谷さんの実家は信楽駅からしばらく来るまで走った山間の集落にあった。そして立派なお家だった。家の前の川では蛍が乱舞するという。

すぐに軽トラックに乗り換えて、茶畑へ。私と奥田さんは荷台に乗った。天気も上々、気分もいい。細い山道をどんどん上っていく。本当にこんなところに茶畑があるのかなと思うほど。てっぺんまできたかなと思った時、茶畑が出現。「うわー、すごい。美しい!」これが私の第一印象。改めて日本ってすごいなと思う。私の知らない日本がまだまだたくさんあるんだろうな。

これ、茶畑です
畑はこの辺りの山々に点在している。その何箇所かを見せてまわってくれた。途中、眺めのよいポイントで、用意してきてくれた冷茶をいただいた。茶畑と山々を眺めながらのお茶は格別だった。


山の向こうは琵琶湖

標高が高いところは寒暖の差も激しい。そういうところで育ったお茶は香りが高く質の高いお茶になる。

春分の日から数えて八十八日目の日、だいたい5月2日が新茶を摘む時期。この時期、霜がおりることが多い。そのため、防霜ファンをまわし、上方の暖かい空気を下に送り、霜の害を防ぐ。茶畑に立っている棒が防霜ファン。捧の先にプロペラがついている。

お茶は植えてから5年ほどして摘めるようになる。そして40年ほどお茶の葉を摘み続けるそうだ。

これは2年くらいだそうだ。

そして年数がきたお茶は引き抜かれ、また新たな苗を植える。


摘むのは、とんがった葉と、その脇にある二枚の葉だけだ。
しかし、こんな山の上でさぞかし作業は大変だろうと思う。いつも斜面に立って仕事をしていることになる。
大谷園では色んな種類のお茶をつくっている。そのなかでも、「あさつゆ」というお茶はお父さんの自信作だそうだ。私もあさつゆは大好きだ。

摘んできたお茶をここで製品にする。
茶畑を満喫し、夕方の光の中畑から戻った。実家の土間でお母さんがいれてくれた緑茶とお菓子をご馳走になる。お茶を作った人にいれてもらえるなんて、ちょっと嬉しかった。毎日山のお茶畑で仕事をしているお父さん、お母さんは本当にいい顔をしていた。体はしんどいだろうと容易に想像はつく。でもそれに勝る労働の喜び・自分たちがつくっているものに対しての誇りがあるのだろうと畑を見て感じた。
私が大好きな「あさつゆ」をお土産でいただき、信楽を後にした。
今回も濃い旅だった。





























