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撮影報告 その7 大間原発訴訟第2回口頭弁論

*大間原発訴訟第2回口頭弁論*

2011年5月19日(木)

9:00から弁護士会館で弁護団会議。

私は野村さんと一緒に10時過ぎ頃入る。

昨晩から引き続いてプレゼンテーションの打ち合わせの真っ最中。

熱が入っている。

しかし裁判までに間に合うのだろうか。

11時頃、私は外観を撮影しようと外に出たら、圭介さんの運転で山田あゆみさんがやってきた。

来月が臨月の彼女のお腹はだいぶ大きくなっていた。

私は撮影を開始した。

そして一緒に弁護士会館に入り、みんながいる会議室へ。

圭介さんはチーズの配達のため、挨拶だけして退室した。

 

意見陳述をする奥本さんとあゆみさんが席に着いた。

本番に向けて意見陳述を読む練習が始まった。

まず、奥本さん。

次にあゆみさん。私は彼女の正面にカメラを構えた。

あゆみさんの意見陳述の練習の時だけ撮影を許された。

あゆみさんは立ち上がりこう言った。

「初めてお会いする方もいるので、まずみなさんに一言ご挨拶をしたいのですがいいですか。」と。

自己紹介をした後、これからみんなといっしょにがんばっていきたいのでよろしくお願いしますと彼女は結んだ。

私は彼女の真摯な姿勢に感動した。

 

そして彼女は切々と意見陳述を読み上げた。

こみ上げてくる思いと涙を抑えながらの陳述をみんなで引き込まれるように聞いた。

森越弁護士も、「二人とも素晴らしい意見陳述です。」と満足気だった。

あとは弁護団のプレゼンがうまくいけば、きっとすごくいい裁判になるはずだ。

会議が終わり、いよいよ本番だ。

外にはテレビ、新聞などのマスコミがたくさん来ていた。

石川さんも道新のキャメラマンとして撮影に来ている。

 

気が付くと、みんなで大弾幕を持ち、弁護士会館から裁判所までの100メートルほどの行進が始まっていた。

私はあわてて走り、撮影をした。そしてみんなが裁判所に入っていった。

私も撮影しながら裁判所に入っていったら、職員に裁判所の敷地内での撮影は禁止ですと止められた。

なので敷地の外に出てみんの後ろ姿を撮影をした。

 

続々と傍聴に人が集まってきた

。私もカメラを持ったまま、抽選に並んだ。130人ほどの人が並んでいた。

私は一般の抽選に見事外れた。

その後の2回目の抽選も外れてがっかりしていたら、隣にいた女性が傍聴券を私に譲ってくれると言う。

「空想の森」を見てくれた人で、私のことを知っていた。

あなたもせっかく来て当たったのだからと断ったら、彼女は私にこう言った。

「田代さんが裁判を見てみんなに広めて欲しいから。」と。それで私は傍聴券を譲ってもらった。

しっかり見てこようと気を引き締めた。

 

裁判の部屋は結構小さかった。空いていた一番後ろの中央の席に座り、キャメラをイスの下に置いた。

原告席がまだ空いていたので、一般の席に座っていた原告の女性が原告席に移った。

そしてさっき私に傍聴券を譲ってくれた女性が入ってきたのでああよかったとホットした。

 

向かって左側が原告席。

最前列にあゆみさん、奥本さん、河合・森越弁護士などが座っていた。

後ろの方で野村さんが咳き込んでいるのが心配だった。

澤井さん、上澤さん、若手の弁護士の人たちがプレゼンのため、パワーポイントの準備でパタパタと動いていた。

証言席からプレゼンをすることになった。

 

活気がある原告席に対し、右側の被告席は対照的だった。

大勢いるのだけど無表情でただ座っていた。

彼らは一体どんな気持ちでいるのだろう。

一般傍聴席の中には記者席もあり、満席だった。

一番後ろには、キャメラマンたちが陣取っていた。

石川さんも腕章をつけ、三脚の上で構えていた。

裁判の前に2分間の撮影時間があった。

シャッター音が室内に響いた。

時間が終了するとキャメラマンたちは素早く退室していった。

 

裁判が始まった。裁判官席に3人が座っていた。

まず冒頭に河合弁護士が一言発言をしたいと手を挙げた。

原告、被告の弁護団は、浜岡原発の裁判の時とほぼ同じメンバーである。

浜岡の裁判の時、(3人の被告の弁護士を名指しで)あなたたちは電源喪失事故なんてあり得ないと言って、

私たちを大げさなことを言うオオカミ少年で変わり者のような扱いをしていた。

福島第一原発で実際起きたではないか。

このことをどう考えているのか。

と、このようなことを威勢よく言った。

被告の弁護団は一言も発さなかった。

 

意見陳述は素晴らしかった。

奥本さんはゆっくりとそして心をこめ、時に力強く、原発建設問題が起きてから、

いかに人間関係がズタズタにされてきたかを訴えた。

あゆみさんも静かにそして思いを込めて、これ以上子供たちの未来を奪わないで欲しいと訴えった。

動物と共に作り上げた農場、子供への愛情があふれる陳述に裁判官、傍聴席の人たちも聞き入っていた。

あゆみさんの感情がこみあげたところでは、目頭を押さえる人もいた。

お腹の大きいあゆみちゃんが発する言葉には説得力がある。

終わってから拍手が自然に起こった。

裁判官は「拍手はしないでください。」と言った。

 

そしていよいよ弁護団のプレゼンテーションが始まった。

青木弁護士、河合弁護士、植松弁護士。

3つのプレゼンテーションとも、パワーポイントを使って資料や写真などを示しながら説明した。

きっと原発に詳しくない人でも、わかりやすかったと思う。

素晴らしいプレゼンだった。

この短い時間でよくここまでまとめたものだと感心した。

さすが弁護士の先生たちだ。

私は裁判を見るのは初めてだった。

今回の裁判で被告側の人はほとんど発言していなかった。それが作戦なのか。

それにしても裁判がこんな面白いなんて思ってもいなかった。

 

裁判が終わった。これでは被告はグウの音もでないだろうなあと思った。

私はすぐさま裁判所を出る原告の人たちを撮影すべく移動。竹田さん、大場さん、厚子さんなど、

みんないい顔をして裁判所から出てきた。私もかなり高揚していた。

竹田さん、あゆみさんはたくさんの取材を受けていた。

私はそれを遠巻きに撮影。

 

弁護士会館に移動。

今日の裁判の報告とあさこ子さんをしのぶ会。

奇しくも5月19日は5回目の熊谷あさ子さんの命日でもある。

テーブルの脇に、額に入れられた大きなあさ子さんの写真とお花が置かれていた。

弁護士の人たちはまずその写真にお参りをしてから、席に着いた。

たくさんの報道陣が来ていた。

河合弁護士が意気揚々と今終わったばかりの裁判を報告。

3.11で原発裁判の潮目が変わった。

今までの裁判とは明らかに雰囲気が違う。と。

 

あさ子さんをしのぶ会では、娘の厚子さん、竹田さん、野村さん、澤井さん、大場さんが順番にあさ子さんの思い出話をはじめた。

みんなそれぞれあさ子さんとの思い出を持っていた。

野村さんは、あさ子さんとカラオケにいった話をした。

あさ子さんは小さい頃から歌がうまくて本当は歌手になりたかったこと、

美空ひばりが十八番で、とってもきれいな声で歌っていたエピソードを話した。

厚子さんも、大間原発はまだ燃料棒が入っていないただの建物。

海と土地があればどんなことがあっても生きていけるという母の意志を継いで

大間原発の建設中止を実現するためにがんばりますと力強く言った。

大場さんは、あさ子さんの話をしながら男泣きをした。

大場さんにも多くの思い出があるのだなあと、私ももらい泣きしそうになりながらキャメラを回した。

そして澤井さんがあさ子さんをインタビューしている映像をみんなで見てあさ子さんを偲んだ。

あさ子さんも今日の裁判をよかったよかったと喜んでいるに違いない。

 

会が終わると、厚子さん、河合弁護士、竹田さん、大場さん、あゆみさんなどは次から次へと取材を受けていた。

私はあゆみさんを中心に撮影をした。

 

そして寿司屋に移動。

一緒に乗り合わせた河合弁護士と森越弁護士に、裁判がこんなに面白いなんて思ってもいなかったと私は言った。

「この裁判は特別。面白くしているんだよ。」と森越弁護士が意気揚々と言った。

弁護団、原告、傍聴した人など20人以上の人が参加した。

ビールで乾杯し、大いに盛り上がった。ビールがひときわ旨かった。

 

河合弁護士が立ち上がり、「みんなー聞いて。聞いて。」と言って話し出した。

この弁護を引き受けることになった経緯、そして、あさ子さんと出会ったから自分はやろうと思ったと。

放射能のことなんかよく知らないあさ子さんだったけど、大間の海と大地と共に生きてきたことが裏打ちとなって、

あさ子さんはたった一人でがんばってきた。

河合弁護士もあさ子さんに心を動かされた一人だったのだ。

感動的だった。

あゆみさんもギリギリまでいろんな人と話をしていた。

素晴らしい夜だった。

竹田さんと野村さんと私で、帰ってゆく人たちを見送った。

資料情報室の澤井さん、上澤さんとは、「また大マグロックで!」と言って別れた。

みんな元気にそれぞれの場所に帰って行った。

 

2011年5月20日(金)

11:00。FMいるかの池田誠さんの番組のゲストで出た。

国際交流と環境問題がテーマの番組なので、概ねそれに沿った話をした。

最後にどうしても話したかった原発のことを少し話した。

パザールバザールで遅いランチ。

ここのチキンのケバブとチャイは本当にうまい。

つづく

パザールバザールのカウンター席から。

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