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撮影報告 その25 ラムヤート・洞爺湖

洞爺湖。
2011年8月6日。
洞爺湖のパン屋さん・ラムヤートの今野満寿喜さんの撮影に向かう。
マスキさんのモノのとらえ方・考え方は独特で個性的。
そしてその暮らし方が私にはとても魅力的だ。
数か月前、初めて会った時から折々撮影させてもらうことになった。
洞爺湖に行くと空に近いというか、言葉でいい表せないのだけど洞爺独特の空気を感じる。
そしてラムヤートはもうずっとずっと前からここにいるかのようにたたずんでいる。
「こんにちは」と店に入ると、「少し前からここで働くようになりました。」と柔らかな声の青年が私に言った。
マスキさんがスカウトしてラムヤートに住み込みで働いているゴンちゃんだった。
店にはあゆみちゃんが立っていた。
あゆみちゃんもマスキさんにスカウトされてここで働いている古株。
マスキさんの息子・ゆうら君も真っ黒に日焼けしていた。
コーヒー豆のようだとみんなに言われているそうだ。
「マスキさんはおにぎり屋の方にいますよ。」とゴンちゃんが案内してくれた。
おにぎり屋がオープンしたのだ。前に私が来た時、マスキさんは内装をやっていた。
おにぎり屋の小屋の入口には緑の葉っぱが茂っていて、数段の階段もいい感じ。中に入ると右手に木の机。
その上にちょこんとショーケースが置かれ、中には見本の6種類ほどのおにぎりが並んでいた。
窓際の棚などになぜか古い文房具がディスプレイされていた。
これが実にオシャレに並んでいる。
コンパス、竹の物差し、磁石、鉛筆、はさみなどなど。ここにあるものはみんな洞爺のもので買ったものはない。
自分が気持ちいい空間をつくった。
とマスキさんは楽しそうに言う。
ホント、マスキさんのセンスはいい。
午後、お客さんが途切れた頃、「風呂に行こう!。」とマスキさんはゆうらといっしょに向かいの洞爺湖へ。
ゆうらは真っ裸。「あー、気持ちいいー!」と湖に入り、親子で行水。
夏は湖が風呂替わりで、日に何度も入るそうだ。
夕方、店仕舞いして、マスキ一家とゴンちゃんと一緒に伊達の路地裏祭りへ。
武者祭りが大通りで開催されている。その小さな路地で路地裏祭りが開かれている。
でも今年で最後なのだそうだ。
なんでも再開発で建物が取り壊され、路地もなくなるからだそうだ。
伊達。武者祭り。
本当に、建物と建物の間の狭くて短い路地裏だった。
でもそこは、わくわくさせられる空間だった。
gla-glaさんガラス、スイーツ屋さん、手作り雑貨屋さん、キャンドル屋さん、シルバーアクセサリー屋さん、かき氷屋さん、ラフテー、浴衣リメイク屋さん、ジャム、スコーン屋さん、リメイク子供服屋さん、アジア雑貨屋さん、牛乳プリン屋さん、カレー屋さん、青barなどなど、所狭しと並んでいた。
まずはビール。暑い夏にはやっぱりビールだ。
最後の祭りとあって、たくさんの人が路地裏に集まってきていた。
大マグロックで出会ったかたつむりスピードのじゃんじゃんに声をかけられた。
カレー屋をやっていた。
ほんと縁があるなあと思った。
武者祭りの山車も見た。
音楽や踊りに風情が感じられなかった。
ミワさんが「鳩山由紀夫さんがいるよ。」と道路の向こうを指差した。
色んな人にあいさつしていた。
マスキさんのお連れ合いのミワさんと息子・ゆうら。
路地裏祭りの投げ銭ライブ。
路地の真ん中にステージ。ここで投げ銭ライブ。
苫小牧のれいかさん、洞爺のトリトメトリなどのライブを聴いた。
歌い手もお客さんもみんな最後の祭りを惜しんでいた。大人たちは合いの手をいれたり踊ったり、子どもたちは走りまわり、めちゃくちゃ盛り上がった。
ここで10年以上もこうやって毎年やってきたのだなあと思った。
とても楽しかっただけに、祭りの後は少しさみしくなった。
ゆうらはマスキさんに抱かれすっかり寝入っていた。
ラムヤートに帰り、少し飲んでから寝るかということで、マスキさんとミワさんとまったりとしていたら、少しのつもりが結構な時間になっていた。
そしてゆっくりと眠った。

2011年8月7日。

今日もいい天気。
朝、マスキさんとゆうらは湖にひと泳ぎへ。
私も撮影しについていく。
「田代さんも泳いだらいいのに。」とマスキくんが言った。
私は撮影をやめて、短パンとTシャツに着替えて洞爺湖に入った。
とっても気持ちがよかった。
水はちょうどいい温度だった。ひとしきり泳いだり浮かんだりして、岸にあがり寝っころがった。
湖で泳ぐなんて何年ぶりだろう。
ラムヤートに戻り、ミワさんの仕事を撮影させてもらう。
おにぎり屋は土日のみの営業。
つくるのはミワさん。
朝早くから米をたき、おにぎりをにぎる。「一人で黙々とやるこの時間がけっこういいんんです。」」とミワさんは言った。
喜茂別のチャイチャイが子供3人連れてやってきた。
今日はおにぎり屋はチャイチャイが担当。
チャイチャイもマスキさんにスカウトされてこの春から働くようになった。
生まれたばかりの子供を背負いながら働いている。
カンペイとハルゾウは店の周りを裸で走り回っている。
風博士がやってきた。今晩ラムヤートでライブをするミュージシャンだ。
穏やかないい感じの人だった。
目下ワゴン車が我が家。
最近結婚した嫁の涼子さんと、この車で全国をツアーしてまわっている。
今回のツアーは自分たちの住処を探すという目的もあるそうだ。
車の中を見せてもらった。
布団も敷けるし、キッチン道具などコンパクトに収納していてなかなか快適そうだ。
今晩どんなライブをしてくれるのか楽しみなってきた。
東京から1か月ほど洞爺の農家にアルバイトにきているあゆみちゃんがラムヤートに遊びにきていた。
日曜は仕事が休みなのだ。昨日の路地裏祭りですこしおしゃべりをした。
とても感じのいい人だった。
「泳いだら気持ちよかったよ」などど話していたら、彼女がカヌーだったらやりたいと言った。
そしたらマスキさんが「カヌーならあるよ。」と言った。
私はがぜんカヌーがやりたくなって、あゆみちゃんとやることになった。
そしてマスキさんがモノがいっぱい詰まった物置小屋からカヌー、パドル、救命胴衣を引っ張り出してくれた。私たちは、おにぎり小屋でおにぎりを買い、水を持ち、いざ湖へ。
撮影はもうやめて完全に遊びモードになった。
あゆみちゃんはカヌーが初めてだったので私が後ろで舵をとった。
湖の上はこのうえなく気分が良かった。エメラルドグリーンの水、青い空、山の緑が美しく、体の中を風が吹き抜ける感じがした。
中の島まで行こう!と、どのくらいの距離かもわからなったが行くことにした。
あゆみちゃんは初めてなのに結構上手に漕いでいた。
私は目標を定め、舵をとりながら漕いだ。湖面からの景色は刻々と変わっていって飽きない。
真ん中あたりで泳ごうかと思っていたが、深いグリーンの水がとても深そうでとても泳ぐ気になれなかった。
エンジン音がうるさいボートさえなかったらどんなにいいだろうと思った。
このボートが通ると遠くてもすごく波が立つ。
こういうところでうるさいボートに乗りたくなる心境がわからない。
あゆみちゃんとおしゃべりしながら小一時間ほど漕ぐと、遠くに見えた中の島が近づいてきた。
そしてよさげな岸に上陸した。カヌーを岸にあげ、腰を下ろした。
ラムヤートがどこだったかわからなくなるくらい遠くなった対岸を眺めながらおにぎりを食べた。
すごくおいしかった。
そして私は少し泳いだ。
小さい魚やエビがいっぱいいた。
魚をつかまえようと何度もチャレンジしたが一匹も捕まえられなかった。
エビは手を静かに沈めていると上に乗ってくれたりした。
このエビがなんだかおいしそうだった。あとでマスキさんにきいたら、素揚げにしたらとてもおいしいそうだ。
ゴーグルを借りてくるのを忘れたのが悔やまれた。
ひとしきり遊んでまたラムヤートに向かって漕ぎだした。
ほんと楽しい時間だった。
またカヌーをやりに来たいと思った。
夕方、店を閉めスタッフ総出でライブ会場づくりが始まった。
私はまたやってしまった。
短パンにTシャツで遊んでしまったため、真っ赤になりやけど状態。
特に足がヒリヒリした。
ミワさんに保冷剤をもらい手拭いで足にしばりつけながら撮影をした。
風博士ライブ in ラムヤート。
ステージ、会場もマスキさんのセンスが光る。
お客さんも集まり、ライブが始まった。
詩、メロディー、声。
風博士の歌はとても心地よく私はいっぺんで好きになった。
私の日焼けを見て、涼子さんが馬油をくれた。
塗ってみたらヒリヒリがおさまり、保冷剤なしで大丈夫になった。
そんなたくさんのお客さんではなかったが、みんな音楽を楽しんでいた。
この空間がとても愛おしい気持ちになった。
ライブが終わり、マスキさん、ミワさん、ゆうら、あゆみさん、ゴンちゃん、風博士、涼子さんで打ち上げ。
パンや野菜を食べながら、風博士と涼子さんを囲んだ。
面白い夜だった。ゴンちゃんが、今日の出来事を詩にしてギターを抱えてうたった。
ここにいるみんなが登場する歌だった。
一日の終わりに心があったくなる歌だった。
風博士と涼子さんは「家に帰るぞー」と言って湖の眺めのいい自宅に帰っていった。
いつでもどこでも自宅が近くていいなあ。
左からあゆみちゃん、ゴンちゃん、ゆうら。
2011年8月8日。
朝、マスキさんが「ゴンちゃんもひとっ風呂行こう」と誘ってゆうらと三人で湖へ。
私もキャメラを持って行く。
「ああー気持ちいい!」とマスキさんはゆうらと泳ぐ。
そのうち何やら湖の底から拾い上げた。
「ゴンちゃん、ゴンちゃん、いいもの見つけた!」とマスキさん。
しばらくしてゆうらが「ゴンちゃん、ゴンちゃん、こんなの見つけたー。」
ゴンちゃんが二人の保護者のようだった。
涼子さんと風博士は湖のほとりで朝食の支度にかかっていたが、マスキさんたちを眺めて笑っていた。
そしてマスキさんとゴンちゃんは湖で拾った品々を眺め、これまた拾った網にくるんでラムヤートへと運んだ。
開店前、スタッフ全員で朝礼をする。事務的なことが終わると一人ひとりが一言言う。
「昨日カンペイが湖で石を拾い、芸術芸術と大騒ぎしていたのに帰ったとたんその芸術は放りだされてました。」
とチャイチャイが言うとみんなが笑った。
「湖から拾ってきたモノを店に飾っていたら、お客さんにとてもいいねと言われて嬉しかったです。
捨てられたものでもこうやって再生させて価値を見出すことができることをもっとみんなに知らせていきたいです。」というようなことをゴンちゃんが言ったり。
なんだかちょっとこの朝礼に私は感動していた。
いっしょに働く人の喜びや面白さをみんなで共有して一日が始まることに。
いい職場だなあと思った。
マスキさんとミワさんのインタビュー撮影。
あらたまって聞くのも変な感じだった。
これからも撮影をさせてもらいたいと思った。
もっといい撮影ができるようにがんばりたいと思う。
お昼過ぎ、店の外でゴンちゃんミニライブ。
アイスコーヒーを飲みながら、ラムヤートスタッフ、風博士、涼子さん、お客さんでゴンちゃんライブを楽しんだ。
またまたゴンちゃん、いい歌を歌ってくれた。やはりこの場にいる人がみんな登場した。
私のこともあって、なんだかとても嬉しかった。
そしてそればかりかゴンちゃんは、風博士にも1曲歌わせてしまったのであった。
「ゴンちゃんがウチに来てくれて本当によかったねー」とミワさんがしみじみとマスキさんに言っていた。
そんなこんなで ラムヤートでの3日は、この夏一番の楽しい思い出になりそうだ。
そして私はみんなに別れを告げ、再び函館へ向かった。
明日は肥田舜太郎先生の撮影だ。
車を走らせてしばらくして、ミワさんから電話が来た。
三脚を忘れてきたのだった。
ガーン。
ラッキーなことに、チャイチャイ一家が明日9日に民族音楽祭で函館に来ることになっていた。
なので三脚を七飯のこなひき小屋に届けてもらうことにした。
あー良かった。

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