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新作撮影報告 その98 ラムヤート・5年目の冬 その1

高速道路から。新得付近。

 

2012年3月1日。

もう3月。震災から1年が経とうとしている。

怒涛の1年だったなあと改めて思う。

ボワーっと霞みがかかったような山々。

辺りはすっかり春の雰囲気になっていた。

今回も半月ほどの撮影・上映・報告会など、盛りだくさんの旅になる。

 

寝不足でボーっとした頭のまま、洞爺湖・ラムヤートに向けて車を走らせた。

今まで、ラムヤートの撮影は函館で撮影した帰りにすることがほとんどだった。

今回初めてしょっぱなの撮影で、しかも今までで一番長い撮影期間になる。

 

ラムヤート

 

ラムヤートは2・3月は休業中だ。

店は開けていないが、4月からのオープンに向けて、家の補修、設備のメインテナンスなど、やることが山盛りある。

ユウラを抱くミワさん。

今年の冬季休業は、いつもと少し違うようだった。

マスキ君の弟・ユウスケさんがラムヤートでパンを焼くと決めた4年が経ち、彼は独立することになった。

ラムヤートにパン職人がいなくなった。

そして、マスキくんがスカウトし、ラムヤートのスタッフとして働いているゴンちゃんが、パン職人になると決断した。

そんなこんなで、オープンして5年目のこの冬季休業は、ラムヤートの面々にとって、とても大事な時間になっているようだ。

ちなみに私もこの3月で「空想の森」が完成して5年目を迎える。

洞爺湖

「毎日雪かきをしても追いつかないほどだ。」とマスキ君が言っていた通り、洞爺湖は雪の量はすごかった。

ラムヤートに着き、母屋へ入るなり、「ウギャー!」と子どもたちがパワー全開で迎えてくれた。

居間は初めてお会いする人も含めて何やらにぎやかだった。

そのまま私はひとしきり子どもたちと遊んだ。

マスキ家は5匹のネコも一緒に暮らしている。これはミギとヒダリ。

 

 

マスキ君、ミワさん(マスキ君の連れ合い)、ゴンちゃん(ラムヤートスタッフ)、そして神奈川県から子どもと自主避難してきたミアキちゃん、同じく宮城県から子どもと自主避難してきたサオリさんがいた。

ミアキちゃん。

 

私はユウラ(マスキ君とミワさんの息子)とミアキちゃんの子供・ピリカちゃんとイオノちゃんと遊びながらご挨拶。

ミアキちゃんは子どもと3人で豊浦の公営住宅に住んでいて、時々ラムヤートに遊びにくる。

 

サオリさんは、ラムヤートの並びの空き店舗でカフェを始めることになった。今、その内装工事をマスキ君が手伝っている。

話してみると、二人とも実におもしろい人だった。

夕方、マスキ君がサオリさんの店の内装の仕事に行くというので、私も雪道をいっしょに歩いて現場へ。

「この空間の形がコンテナみたいだから『コンテナ』っていう店の名前にしようかと思っているんだ。」とマスキ君は言った。

ラムヤートのある通りには、もう一軒、マスキ君が内装を手がけた店がある。店の名は「整える」。美容室だ。

この商店街に、またマスキ君の手がけた店が増える。

マスキ君。

 

『コンテナ』はだいぶ内装工事も進んでいた。床がはがされていて、木の板をネジでとめていく。

マスキくんのセンスでどんな内装になるのか楽しみだ。

 

小一時間ほど私とおしゃべりをしながら、マスキ君は仕事を進めた。

震災が起きて間もない去年の4月、喜茂別の三田君に紹介されて初めてマスキ君と会った。

私とマスキ君のその時の気持ちの状態と1年を経た今の気持ちの状態が同じようなので、相乗効果で何だか色んなことを話せる。

 

色々な工具や道具を駆使して、ほこりの舞う中、働く姿はやっぱりカッコイイ。

そういえば、今までマスキ君がこのようなわかりやすい仕事をしているところを見たことがなかった。

ラムヤートでのマスキ君の仕事は見えづらい。

一見プラプラしているようにも見えるけど、とても大事な役割を担っている。

それはマスキ君にしかできないと私は思っている。

 

家に戻り、夕食。ミアキちゃん一家3人もいっしょに、にぎやかに夕食をいただく。

ゴンちゃん。

この冬、ゴンちゃんがラムヤートのパンをつくろうと決めた。

マスキ君とミワさんはパン職人を探すのをやめた。長い目で見て、本当に自分たちらしいものを、おいしいパンを、お客さんに提供していきたい、そしてその奥にある自分たちの暮らしの質を高めていきたいという強い意志が感じられた。

ゴンちゃんは毎日毎日パンと向き合っていた。時間をおしんでパンを試作していた。

そしてゴンちゃんは目標を持った。

いつか山を持って木を植えて、畑を持ち、パンの原料の小麦をつくり、パンを焼く燃料の薪も山からいただくという目標。

それはマスキ君の夢でもあるそうだ。

40代になったら山を買ってそこで暮らすこと。

遅くなったので、ミアキちゃん一家も泊まっていくことになった。

久しぶりに飲みながら色んな話をした。

私はなんだかとても嬉しくて、明日からこの人たちを撮らせてもらうシアワセを感じていた。

 

つづく

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