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撮影報告 その124 2012年 初夏 山田農場 その1

 

2012年6月24日(日)。

親方の家を後にして、チャップリン館に行き、ゆっくり温泉につかる。

今回もかなりの長丁場。

さすがに疲れが出てきた。

 

そして夕方、山田農場へ。

間もなく圭介さんとあゆみさんは夕方の仕事が始まった。

今日は泊まるだけで、明日撮影をさせてもらう。

山田農場はミルクの放射能検査をした。

そのことについて、どういう思いでやろうと思い、そして小出さんの話を聞き、今そのことについてどう考えているのか、改めて聞こうと私は思っていた。

 

 

私は家に入り、おかみさんが持たせてくれたイチゴをちゃぶ台の上に置いた。

イチゴの前にコウサクとユウサクは膝をついて二人並び、「おいしそう」と声を合わせた。

 

次の瞬間コウサクは「食べていい?」

と言う。

「後でみんなで食べるけど、味見していいよ。」

と私。

イチゴをつかんで口に入れた。

「オイシイ」

ニカっと笑った。

「もう一つ食べていい?」

とコウサク。

「イイよ。」

と私。

ユウサクはちょっと離れて見ていた。

「ユウサクも味見したらいいよ。」

と私がいうと、一つつまんでおいしそうに食べた。

コウサクは三つ目のイチゴに手を伸ばしていた。

「ユウサクももう一つ味見したら。」

と私がいうと、

「いい」

と言って食べなかった。

お兄ちゃんってすごいなあと思った。

 

座った私の膝の上にすかさず座るコウサク。

「ヨウコチャン、また船乗りたいね。コウサク、ヨウコチャンと一緒に乗りたい。」

と私の膝の上で何度も言う。

去年の春にいっしょに大間に行った時に乗ったことが、よっぽど楽しかったのだろう。

「またいっしょに船乗ろうね。」

「ウン!」

かわいすぎる。

 

私がふと「あー、疲れたー」と言うと、

ユウサクが私の後ろにまわり、肩をたたきはじめた。

見かけによらず力強いたたきだった。

「あー、効くー。気持ちいいー。」

と私がいうとまた更に力を入れてたたいてくれた。

すると、コウサクが自分もやりたいと言って、ユウサクと交代した。

コウサクもなかなか力強い。

小さな二人の男の子の癒しの力はすごい。

 

夕方の仕事が終わってみんなで晩御飯。

コウサクは私の膝の上でご飯を食べながら寝てしまった。

圭介さん、あゆみちゃんと色んな話をした。

このタイミングで小出先生の話が聞けたことは、圭介さんとあゆみちゃんにとって、とてもよかったことだったんだなあと感じた。

福島原発の事故があり、圭介さんたちは生産者としてどうしたらいいのかを考え、ミルクの放射能検査をした。

しかしこれは一体どういうことなのかと考えていた矢先だった。

日本全体が、世界全体が放射能に汚染されている中で生きていかなくてはいけない現実を、私たちは小出さんの話を聞いて改めて思い知らされた。

どこでどう生きていくか、人それぞれ、自分で考え選択し、腹をくくるということこそが大事なことなのだと。

圭介さんとボー。

食後に出してくれたチーズを口に入れた。

「これ、おいしいー」

と開口一番に思わす言った。

「でしょー。これ牛のチーズ。今までずっと追い求めていた牛のチーズがやっとできたんだ。これができてもう思い残すことはないほど。」

と圭介さんがとても嬉しそうに言った。

要は、なぜうまくいくのか、なぜ失敗したのか、理由がわかるようになったということだそうだ。

3年間、毎日ひたすら試行錯誤してチーズとそして自分と向き合ってきた圭介さん。

我が道を歩く青年は気高く美しいなあと思った。

 

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