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新作映画、撮り始めます

「風のたより」の上映で出会った長野県・信級(のぶしな)を舞台に映画を撮ることが決まりました。

信級で暮らす人たちを1年にわたって撮影する予定です。

撮影の一坪悠介さん、録音・整音の柳屋文彦さんもご協力いただけることになりました。

ただいま、諸々準備中です。

新作映画製作協力のお願いをご縁のあった方々に郵送しています。

賛同してくださる方、ぜひ製作協力をお願いいたします。

新作映画「信級(のぶしな)」(仮題)の製作協力のお願い

    

平成最後の年が終わり、新しい年になりました。お元気でお過ごしでしょうか。

映画「風のたより」が完成してから、北海道、東京、神奈川、千葉、群馬、福島、栃木、滋賀、長野、山形、ベルギー

様々な場所で上映をしていただきました。

上映の後は、お酒を飲み、その土地の食べ物を味わいながら、しばし至福の時を過ごしました。

見てくださった方と直接お話をする中で、「風のたより」を自分自身と重ね合わせ、

深く受け取ってくれていることに感動することも多々ありました。

2017年、私が一つの目標にしていた山形国際ドキュメンタリー映画祭に、

幸運にも「風のたより」が上映されることになりました。

1997年からこの映画祭に参加していましたが、今回初めて製作者として参加できたことは、私にとってとても大きなことでした。

今までの集大成として、私は上映にのぞみました。

出演してくれた山田農場のあゆみさん、ラムヤートの今野満寿喜さんをはじめとする面々、

そしてこの映画を上映してくれた人たち、観てくれた人たちが全国から山形に駆けつけてくれました。

みんなで映画祭に参加できたこと、これが何より嬉しく、私はテンションが上がりっぱなしでした。

上映だけでなく、みんなでチームを組んで映画館の中に出店をつくり、

山田農場のヤギチーズとワイン、ラムヤートのパンの販売をしました。

お客さんは大喜び。最高に贅沢な映画の上映になりました。

 

そしてこの山形の地で、意外な気持ちが湧き上がってきました。

今は何を撮りたいかはわからないけれど、「また映画をつくりたい!」と。これには本当に自分でも驚きました。

それからしばらくして、次に撮りたいものが見えてきました。

長野県にある信級(のぶしな)という集落です。

「風のたより」を上映してくれたところです。

この先に本当に集落があるの?というような山間のくねくねした道を進んでいくと、

パッとひらけて、なんだか懐かしい感じのする風景が目に飛び込んできます。そこが信級です。

山の中腹には、立派な木造の信級小学校が建っています。

一目見て、惚れてしまうような佇まいです。

今は廃校になっていますが、信級で育った人たちがみんな通った小学校です。

この、みんなが大切に思っている信級小学校が上映会場でした。

主催してくれたのは、信級に移り住み、田んぼと炭焼きをしている植野翔さんという青年でした。

彼は集落の人たちに上映会のことを丁寧に説明して歩きました。

その甲斐あって、当日は満員御礼。信級の重鎮の方たちもたくさん参加してくださいました。

そして映画を最後まで見て、しっかりと受け取ってくださり、私はとても感動しました。

「信級の潮目が変わった!」

これは、植野さんの炭焼きの師匠・関口さんの上映後の言葉です。

その他にも個性あふれる感想をたくさんいただき、感激の上映会でした。

小学校にこれだけ人が集まったのは何年振りだろうか、と口々に言っているみんなの顔は、なんとも嬉しそうでした。

そしてこの夜、オープンしたばかりのかたつむり食堂で打ち上げをしました。

この時の植野さんの心底嬉しそうな顔。今も忘れられません。

信級小学校、魅力的な人たち、そして美しい風景と共に、上映会が私の胸に刻み込まれました。

そしてその後も、なんだか時々信級を思い出していました。

以前、信級には1000人以上の人々が、田んぼや炭焼きをして暮らしていたそうです。

現在は100人ほどになってしまいましたが、

植野さんのように、信級で暮らしをつくって生きていきたいという人が移り住んでくるようになりました。

信級で生まれ育った人たちと、新しく暮らし始めた若い人たちとが、刺激しあったり調和したりしながら、

これからの信級をつくっていこうとしている姿に、私はとても魅力を感じました。

当然のことながら、信級にも刻々と時が流れ、日々人々が暮らす状況も変わっていきます。

それでも守っていきたいものを、信級の人たちは持っているのではないか、と私は感じました。

それはきっと、ずっとずっと前の祖先の人たちが、守り大切にしてきたことなのかもしれないと思うようになりました。

先人の方たちが脈々と次の世代に手渡してきて、今、植野さんたちがそれを受け取ったのかもしれません。

そんなことを思ううちに、撮影を通して信級の人たちと向き合い、植野さんたちが受け取ったものを探していきたいと思うようになりました。

なぜ撮りたいのか、何を表現したいのか、いつも自問自答し続けているのですが、

ファインダー越しに被写体の人と向き合っている時、「ああ、いいなあ・・・」と思う瞬間があります。

こういうものをみんなと共有したいと思ってしまいます。

今まで私は映画と共に、そこに暮らす人たちや土地と出会ってきました。

そうやって歩いているうちに、自分が生まれ育った日本の素晴らしさ・美しさを身にしみて感じるようになりました。

言葉にするとやはり陳腐になってしまいますが、面白い映画をつくりたいと思っています。

そして、信級の人たちと一緒に花を咲かせたいです。

春から撮影を始め、一年くらいかけて撮影をすることを考えています。

今回も自主製作で、賛同をいただける方々から製作資金を募って映画づくりを進めてまいります。

私にとって3作目の映画になります。みなさんと共に、いい映画をつくっていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

ご賛同いただけましたら、製作協力金をぜひよろしくお願いいたします。振込用紙を同封いたしました。

一口 5000円 (何口でも)

製作協力いただいた方のお名前は、完成した映画のエンドロールに掲載いたします。

希望されない方は、お手数ですがその旨お知らせ下さい。

風の映画舎 田代陽子

メール 3y@soramori.net  

風の映画舎 HP    http://www.kaze-film.net/

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