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アーカイブ  旅する映画 (上映日記)

旅する映画 その59 ヒューマンドキュメンタリー映画祭・阿倍野

2010年8月20日~22日。ヒューマンドキュメンタリー映画祭・阿倍野に参加してきました。


トーク「人間を撮るということ」左から「with・・・若き女性美術作家の生涯」の榛葉健監督、「1/4の奇跡」の入江富美子監督、「ハダカの城」の柴田誠監督。
榛葉監督は、この映画祭で自分の作品の上映や司会進行などで大活躍していた。気骨ある作品ばかりだった。
入江監督は明るくてパワフルな女性。話していてとても楽しかった。次の作品を撮影中とのこと。
録音の岸本君、宣伝の楠瀬さんが同じスタッフだったことと、完成時期が同じ頃だったということもあり、柴田監督は「空想の森」を兄弟作品と言ってくれた。なんだかとても嬉しかった。柴田監督も次回作にとりかかり始めている。

映画祭スタッフたち。朝9時過ぎに会場前に集合。連日の猛暑でみんな汗だくだくだった。私もホテルから会場まで15分歩くのだが、それだけで汗びっしょり。

映画祭受付。映画祭はボランティアスタッフで支えられている。

事務局の池本さん。この映画祭の始まりから関わりしっかりと支えている一人だ。

連日たくさんのお客さんで盛況だった。
8月21日。「空想の森」が上映された。
上映前に1時間ほどトークがあった。伊勢眞一監督、飯田基晴監督、松岡環監督と私の4人。どんな風に映画をつくってきたかなどを話したのですが、4人それぞれで興味深かった。その人の歩いてきたことが、映画に色濃く反映されるのだなあと改めて思った。話の中で面白かったのが、飯田監督は自分の作品をあまり見られないと話した。伊勢監督はその反対で、上映の時たいがい見ていて、ああやっぱりいいなあと毎回思うし、時には涙することもあると言った。私は自分と同じ人がいて嬉しくなった。


その日の上映が終わると連日連夜、スタッフ、ゲストで飲んで語った。毎回メンバーが違うので、毎回自己紹介がある。これが結構面白いのだ。

右が、「1/4の奇跡」の入江富美子監督。

前列左が事務局の吉岡さん。この映画祭のはじめから関わり、支え続けている方。きさくなそして真面目な大阪のおっちゃんという感じ。
その横が伊勢真一監督。「空想の森」を推薦してくれた方。この映画祭の核。今回伊勢監督の作品をはじめて観た。自分の身のまわりの人に寄り添い、そこでおきた風をつかまえようとしているのかなあと思った。

ちびっ子スタッフも大活躍。飲み物の売り上げに貢献。

空想の森の上映日には宮下文代さんも来てくれた。

左から名古屋のベコちゃん、彦根の奥田さん。奥田さんは3日間どっぷりドキュメンタリー映画を楽しんでいった。


上映した夜。空想の森組で記念撮影。座っているのが、録音の岸本君と奥さんのりよさん。

映画祭最終日。みんなで記念撮影。
私は上映されたほとんどの映画を見た。
お客さんや監督たち、スタッフの方たちと話し、飲み、感動と充実の3日間だった。
なのでいつものごとく、写真はあまり撮ることができなかった。

映画祭ってほんとうにいいものだ。
ヒューマンドキュメンタリー映画祭・阿倍野はあたたかく素晴らしい映画祭だった。
自分の作品も多くの人に見てもらえるし、新しい出会いがあり、そして今まで関わった人たちとも再会できる。
今回様々な作品をしっかり見られて本当によかった。
「with・・・」、それからテレビの作品「泣きながら生きて」が強烈も心に残っている。
みんなそれぞれの形で映画に出会い、キャメラの対象に出会い、それぞれのやり方で一つの作品をつくった。
その作品がその人を表していた。
つくった監督たちと、どんな風につくったのか、どのように上映をしているかなどを話せて私はとても励みになった。
私もがんばろうと思った。

「犬とネコと人間と」の飯田基晴監督。この映画は見たいけど、犬やネコの処分の場面なんかがいっぱい出てくるのだろうなあなどと勝手に思っていて、今まで見られなかった。見てみると、とても面白い映画だった。映画祭2日目、トーク「ドキュメンタリーの多様性」でいっしょだった。飯田さんが話したことで、そうそう、私も同感ということが多かったので、映画祭が終わってから、お会いして色々なことをお話した。飯田さんの1作目の「あしがらさん」も観たくなった。

旅する映画 その58 北海道・鷹栖町

先日、会場の下見と打ち合わせに行ってきました。    

ここが上映会場です。 「キッチン らいる」から車で分ほどです。


中はこんな感じです。立派な欄間もあり、かなり裕福な農家だったのだろう。 板戸をはずせば、結構な人数が入る。ごろっと寝ながらも見られる。パイプいすもあるので、膝をつくのが大変な方は椅子に座って見られる。      

北海道・鷹栖町上映会
日にち 2010年9月18日(土)
時間  17:30 会場
     18:00 開演
*監督の田代も参加します。上映後、質疑応答などあります
会場  ノーマライゼーションセンター(鷹栖町にあった築100年ほどの古民家です)
チケット 前売り 1500円 当日 1800円
      *中学生以下無料・高校生半額
問い合わせ 松下まで 090-6261-5141

関連イベント情報
*9月18日(土)「SUNにー市」
場所:キッチン らいる
時間:11:00~15:00
食べもの、リラクゼーション、布、小物などバラエティにとんだ店が並びます。   
*9月19日(日)「ある日、もりで」
場所:ノーマライゼーションセンターの裏手の森
プロ・アマの作品を森の中に展示します

上映会を主催する松下理香子さん。3月のパラダイスファームで映画を見てくださった。その後偶然、旭川の斉藤牧場のメゾン・ド・キミコのイベントで再会したりした。 

松下さんの家。木~土曜日、2階はカフェになる。店の名は「らいる」。1階はご主人の音次郎さんの工房兼作業場。障がいのある方の椅子、車椅子などを作っている。 

私がご馳走になったランチです。野菜がたっぷりでおいしかった。 

水田に囲まれています。カフェの窓からの眺めがいいです。

庭はこんな感じ。ここで去年、「さんにい市」をやって大好評だったとのこと。今年もここでやります。今ままでここで一人芝居など様々なイベントをやってきたそうだ。 


そしてこの日、私は旭川の漆職人の堀内さんのお宅に泊めていただく。行ってみたらあらびっくり。とりのす農場の藤原さんが来ていた。(パラダイスファームでの上映の主催者)彼女はパラダイスファームで映画を見てくれた人。映画のCDを買いそびれ、注文の電話が来たことが縁となり今回お世話になった。彼女はアンケートで映画を絶賛してくれた人。藤原さんと知り合いだったことも私は知らなかった。彼が持ってきてくれた野菜で夕食を囲んだ。


器はもちろん、彼女のつくったもの。藤原さんの野菜、うまかったー。 


仕事場も見せていただきました。彼女が持っている白い布は製作途中。漆で絵を描いて、バックにするそうです。
後ろの大きな木の中で漆を乾かします。  

このように、漆を乾かしています。  

壊れた器の直しもしている。漆は接着剤の役割もする。私は以前お気に入りの湯のみを落として割ってしまった。直すことができると知っていたら捨てなかったのに。もったいないことをしてしまった。直しの線もなかなか味があるのだ。

  

翌日、彼女に旭川の古道具屋、豆腐屋などを案内してもらった。下の写真は豆腐屋。以前市場だった建物に豆腐屋さんだけ残って営業している。豆乳が大変おいしかった。毎日飲みたいくらい。油揚げ、豆腐などお土産に持たせてくれた。家に帰って食べてみると、懐かしい感じの味だった。

一番奥が豆腐屋さん。

旅する映画 その57 彦根にて 花しょうぶ通り商店街の人たちといっしょに


花しょうぶ通り商店街のとばっくちにある「とばや旅館」。創業130年の歴史がある。ここのお母さんがこれまたいいのだ。私もここに泊まり大変お世話になった。祭りの期間中、ここはさながら合宿所のようだった。出店する作家さんたち、ボランティアの学生たちでおおにぎわいだった。細い廊下を譲り合いながら通った。

とばや旅館の伝説のてるてる坊主。勝負市は毎年入梅時期に開催する。このてるてる坊主をかけて、今まで10年間、祭りは雨にあたっていないそうだ。
 
勝負市前夜祭。関係者が集まった。滋賀大学の山崎一眞先生、滋賀県立大学の柴田いづみ先生がこの祭り、商店街をサポートしている。だから祭りは多くの大学生が関わっている。商店街の人たちと若者たちがいっしょになって祭りを盛り上げている。今年の前夜祭は学生の参加が少なかったので、たくさん料理があまって、みんなにお持ち帰りを配った。
 
勝負市前夜祭。私も参加。ビールをしこたま飲んだ。花しょうぶ通り商店街の小杉さんが色々な方たちを紹介してくれた。左が小杉さん。右が県議会議員の中沢けいこさん。
前夜祭にて。同じテーブルにいた紙切り作家さんが即興で切って私にくれた。

とばや旅館の私の部屋から見える風景。  
  
上映会前のスタッフミーティング。奥田さんがつくった綿密なその日のスケジュール表を見ながら。前日の準備から延べ20人以上の学生さんたちが交代で手伝ってくれた。本当にありがたかった。そして若者が多いと活気が出てくる。
 

上映前。挨拶をする奥田代表。毎回お客さんに合わせて話ができるほどになっていた。彼女の気持ちがそのままこの上映会になっていた。

   

 
奥田さんの呼びかけに多くの方々が賛同してくれた。  

 
 
12日の受付。とても暑い日で大変でした。
 

来る10月23日の大津上映会の実行委員メンバーも視察を兼ねて見に来てくれた。後列右から2番目の方が藤重さん。彼女が2月滋賀会館で「空想の森」を見て、前列右の中井さんに自主上映をやろうとけしかけた。奥田さんとも話ができて、アンケートボックス、タイトルなど、名古屋上映会から引き継がれているモノが大津に渡されることになった。

 
スタッフたち。右は名古屋上映会のスタッフだったベコちゃん。夜勤明けにかけつけてくれた。もう一人名古屋上映会スタッフの長沼さんも見に来てくれた。右から2番目は県立大学建築科・柴田いずみ先生のゼミの出口拓磨さん。彼は二日間通しで上映会のスタッフをしてくれた。よく気がつき、素晴らしい働きをしてくれた。こういう若者と出会うと、私はとても嬉しくなる。


上映会場。当然ながらその日、その回によって全く違う雰囲気になる。この回は柴田先生が学生たちを引き連れて見にきてくれたり、大阪や三重県など遠方から見に来てくれた人が多かった。この回は上映後の質問が一番多く活気があった。

 
右のお二人は三重県から、左の友人(兵庫県)を誘ってわざわざ見に来てくれた。

上映の合間。しばしなごみの時間。左から奥田さん、広田さん。 

 

 
外ではテントを建てて、店が並んだ。前回大津で上映会の主催をした原田さんは、オーガニックコットンの製品を販売した。     

 
滋賀会館での上映時も協力してくれた和茶庵の三人。今回は冷茶、新茶入りのご飯、クッキーなどを用意。

  


出店。びわこだいなか愛菜館。地元の野菜を売っている。

出店を出した愛菜館の北川健太郎さん。近江野菜を売っている。映画を見るのを楽しみにしてくれていた。

こんなズッキーニ初めてみました。

奥田さんの娘たちも愛菜館の野菜売りを手伝いました。
 

スタッフたち。

   花しょうぶ通り商店街入り口。ここを入ってすぐ左手がとばや旅館、右手が魚浩。
       

勝負市をぷらぷらしていたら、走り回っている和田一繁さんと会った。とばや旅館の館主でもあり、勝負市の実行委員長。

   


花しょうぶ通り商店街・村川商店前にて。太田さん。ご主人共々、余呉の上映会の時出会った人。天然酵母パンをつくっていて、勝負市ではここで出店していた。今回、上映会のために共働学舎のチーズを使ったパンを作ってくれた。それは原田さんの出店で販売し、完売した。

 


6月13日。勝負市の様子。とばやにつるされた伝説のてるてる坊主の威力およばず少し雨が降った。

 


左:奥田さんの義兄さん。この上映会では一番働いたといっても過言ではない。本職は大工さん。また大将といっしょに酒を飲みたい。

 


打ち上げ。とばや旅館の大広間にて。初めは少し狭いが私の部屋でやっていたのだが、とばやのお母さんが、「大きい部屋があいたから、ぜひ使って」とわざわざ呼びに来てくれたのでご好意に甘える事に。 京都から来てくれた上原七子さんも参加してくれた。彼女は、七芸、京都シネマと見てくれて今回3回目になる。

記念撮影 


打ち上げにて。両手に花?の奥田好香さん。左:仁張将太さんは今田んぼからやってきましたという感じで、草津から田植えを終わらせ、かけつけてくれた。彼の両手は乾いた田んぼの土に覆われていた。右:前田壮一郎さん。彼も余呉から田植えを終わらせ来てくれた。

 


とばや旅館の大広間横の坪庭。

 


とばや旅館向かいの魚浩の皆さん。ここのご主人(左から2番目)は勝負市の実行委員であり、今回上映会の宣伝などに強力にサポートしてくれた。この商店街は道幅が狭い。対面の店と店で大声を出さなくても話ができるほどだ。私が宿を出入りする時、よく話をした。最後は出来たてのだし蒔きたまごをお土産にくれた。

 


帰る日の朝。和田さんと。とばや旅館前。

 

彦根上映会の余韻がまだ体を覆っている。久しぶりに落ち着いて十勝の夏空を眺めている。

今回の主催者の奥田好香さんは、昨年の10月、滋賀県・大津の成安造形大学のカフェテリア結での上映会で「空想の森」を見た直後、「自分の町・彦根で上映会をやりたい」と手を上げた。彼女にとって上映会は全く未知の世界であった。

それから8ヶ月。ものすごい濃い時間を過したと思う。そして、彼女は仲間といっしょに見事に上映会を成功させた。

私は嬉しくてたまらない。2010年6月12日・13日の上映会が全てを現していた。奥田さんがどれほど努力したか、弱気になり、不安になり、泣いたりしたことか。その一方で、どれほど素晴らしい人たちと出会ってきたか、そして人のありがたさを感じてきたことか、それがどれほど自分の原動力になってきたか。私は奥田さんと接しながら、その気持ちを手に取るように感じていた。

それはまさに私が第1回空想の森映画祭で「阿賀に生きる」という映画と小林茂さんというキャメラマンに出会って、自分の町・帯広で仲間といっしょに上映会と写真展をやったことと重なって見えていた。このことが私の原点なのだと改めて思う。この時味わってしまった気持ちが。

人の気持ちを動かす事ほど難しいことはない。映画は人の気持ちを揺らす。映画を通して人の心の熱に触れ、自分の心にも熱を持つ。そしてその熱は人づたいに伝わっていく。

今回の彦根上映会は、私の理想とする上映会に限りなく近いものだった。私は自主上映について、いつもこんな事を思いながら取り組んでいる。上映会は簡単にできるものではない。だからこそ、やるならやってよかったと思えるような、やってみる価値のある上映会にしたいと常々思っている。何より、主催者のやりたいことができる上映会にしたい。そのためには映画の作り手である私も協力していっしょに上映会をつくっていく。上映会をやることで、主催者の人が自分の次のステップにつながるものをつかめたらいいなあということ。上映後も関わった人たちがつながっていけて、映画の上映だけでなく、また何かをいっしょにできるようになればいいなあということ。そしてもちろん、一人でも多くの方に「空想の森」を観てもらうために、次の上映会が決まればいいなあと切に思うのである。

奥田さん、花しょうぶ通り商店街のみなさん、上映会を手伝って下さったスタッフの皆さん、協賛してくれた方々、観にいらしてくれた皆さん、本当にありがとうございました。

機械式時計のねじを毎日まくように、コーヒー豆をガリガリひくように、万年筆で手紙を書くように、銅鍋でお湯を沸かすように、土鍋でお米を炊くように、ふんどしをしめるように、仏壇や神棚に一日一回手を合わせるように、植物や動物に話しかけるように、これからも映画に取り組んでいきたいと思っています。

旅する映画 その56 東京・渋谷にて

2010年6月16日。
彦根上映会を終え、東京へ移動。
アップリンクにて鎌田支配人と打ち合わせ。
東京・渋谷でどんなふうに上映をするのかということについて。
私はやるならきちんと準備・宣伝をして集客をしたいこと。そして今はまだ漠然としているが、今まで群馬・滋賀・北海道などで「空想の森」を上映してくれた食べ物をつくっている人たちといっしょに、上映に加えて「空想の森」ならではの面白い事を東京・渋谷でやりたいと伝えた。
鎌田支配人もぜひやりましょうと言った。
急いでやらず時間をかけてきちんと練って準備し、宣伝もしっかりやって上映にのぞみ、映画館側・作り手の私・イベントに関わる人たちが面白いと思うもの、やってよかったねーと思えて、次へつながっていけるようなものをやりましょうね!ということで劇場を後にした。
劇場側と意思が統一できてよかった。

早速、顔が浮かんでくる。
滋賀・余呉の前田壮一郎さん(野良師)、滋賀・草津の仁張将太さん(パイオニアファーム)、群馬・榛東村の岩田紀子さん(農カフェ)、群馬・倉渕の竹渕進さん(すぎな農園)、函館のこなひき小屋親方(パン屋)、大津の岩田康子さん(ブルーベリーフィールズ紀伊國屋)、名古屋・北村彰彦さん(酒屋)、大阪・坪山規代さん(オープンセサミ、)そして北海道・新得の宮下喜夫さん(宮下農場)などなど。
今すぐ電話して話したい衝動を抑えるのが大変だった。今はどの人も農繁期でおおわらわなはずだ。

しかし耐え切れず彦根の奥田さん、新得の宮下さん、余呉の前田さん、群馬の岩田さん、函館の親方には電話をしてしまった。みんな、それは面白いね。ぜひやりましょうと言ってくれた。
なんかワクワクしてきた。

渋谷に来たので、近くのいせフィルムに寄った。映画監督の伊勢真一さんの事務所。あいにく伊勢さんは海外の映画祭に参加中で不在。スタッフの保田さんとひとしきり話す。彼女は「空想の森」が完成する前から色々と協力してくれた人で、最近ここのスタッフになった。
伊勢真一さんがディレクターをしている今年のヒューマンドキュメンタリー映画祭・阿倍野に「空想の森」が上映されることになり、伊勢さんと何回か話した時に、近くに来たら遊びにおいでと言われていたので行ってみた。保田さんによると、去年の映画祭では毎晩遅くまで飲み会が繰り広げられていたとのこと。私はせっかくなので映画祭に全日参加するつもりだ。ますます楽しみになってきた。

旅する映画彦根編は、後日書いてアップします。

旅する映画 その55 函館再び

金森ホール

十勝から函館へ。車に機材を積み、ロングドライブ。淡い緑、濃い緑、新緑のグラデーションが体を潤してくれるような道中だった。

昨年秋に函館で上映した時に見てくれた方が、「また上映したい!」と、マザーアースというイベントの中で上映できるように働きかけてくれたのだった。

マザーアースは、函館でアロマセラピーのサロンとスクールを経営している近江さんが中心になって開催しているイベント。今年で5回目。3日間やるのは初めてだそうだ。今年のテーマは「あなたと地球がつながる日」。

レンガづくりの金森ホールの中で、ヨガやキャンドルづくり、草木染め、アロマ、アフリカタイコのワークショップ、そして沢山の出店も並んだ。また、今年は函館で結成されたN’DANAの10周年。初日にそのライブがあり大変盛り上がったようだ。「空想の森」の上映は最終日の最後のプログラム。

私は上映前日に函館入り。機材や上映のチェックをするためだ。金森ホールで、実行委員長の近江さんと金森ホールの笹井さんと初めて顔を合わせた。笹井さんとは機材や上映準備のことで何度もやりとりをしていた。とてもしっかりした方だったので、私は上映に関しては安心していた。集客が少し心配だった。前売りがあまり出ていないと聞いていたからだ。

21:00。金森ホールでその日行われていた結婚式が終わり、ホールスタッフは一斉に撤収を始めた。そして上映チェックの準備。スクリーンは備え付けがないため、前回上映した森町のハル小屋さんからお借りしたとの事。会場の広さからすると少し小さいめ。プロジェクターを天井からつるしているため調整が難しかった。スクリーンにいっぱいいっぱいに画を映す事に手間取った。小一時間ほどかかってチェックを終えた。明日の金森ホールでの上映が楽しみになってきた。

今回も宿泊などでお世話になる池田誠さんと、今回N’DANA山北さんと教会でライブをしたアフリカの楽器ムビラ奏者アキさんと3人で飲みに出かけた。学生がよく来る飲み屋だそうで、ラムボールがやけにおいしく居心地がよかった。

アキさんは中南米やアフリカなどの国を旅した人で話がとても面白かった。私と誠さんは結構飲み、久しぶりにゆっくり話せてよかった。

誠さんは明日マザーアースで新得共働学舎のチーズを売るとのこと。アキさんは帰る汽車の時間までそれを手伝うそうだ。山田圭介一家もヤギチーズ製品を売りにやってくる。そしてとうとう4月に共働学舎をやめ、圭介一家の近所・大沼に引っ越した山田聡美一家も映画を観に来る。

この日は、とっていただいた駅前のホテルに宿泊。

左:あきさん、右:池田誠さん。共働学舎のチーズで出店。上映後、完売した。

2010年5月23日。 

午後、金森ホールへ向かう。駐車場は満車。沢山の車が並んでいたので、届け物もあったのでPan屋へ向かう。あいにくおかみさんも親方もこなひき小屋の方にいて不在だった。まだ時間があったので、パン屋の2階の茶房たかはしに入ってコーヒーを飲んだ。店主の方に話しかけられたので、今回の上映のこと、映画の事などひとしきり話をする。

そして駐車場に戻ると待っている車は減っていて、30分ほど並んでようやく駐車できた。金森ホールの中はたくさんの店が並び、人であふれていた。圭介一家、誠さんも店を出していた。私は前の上映で映画を観てくれた人に結構話しかけられたりして嬉しかった。今日の上映会の司会をしてくれる山北さんや、近江さん、ホールの笹井さんなどと軽く打ち合わせ。そのうちマーケット終了の時間になり、みんな撤収を始めていた。私は店をよく見ることができず残念。

上映準備。椅子を並べ、音と画のチェック。昨晩あらかたやっていたので短時間でできた。あとはどのくらいお客さんがくるか。山田聡美一家もやってきた。ふたを開けてみたら、スタッフを含めて80人ほどの人が集まった。函館映画鑑賞協会の佐々木さんも来てくれた。何回も観に足を運んでいただいて本当にありがたい。


N’DANA 左から山北紀彦さん、木村優斗さん、三田健司さん。

オープニング。N’DANAのタイコが始まった。私はお客さんの頭越しに観ながら、この瞬間を体に刻み込もうと思った。

山田聡美さんも一家で見に来た。

今日のお客さんはわりと静かに観ていた。上映後、山北さんの司会で、N’DANAのメンバーと私の4人のトーク。山北さんがどんな感じでくるかと思っていたら、いたって真面目にきたので、私も真面目に話した。私は感慨深かった。山北さんがタイコたたきのプロになる前、私が映画をやろうかどうか考えていた時から、映画祭などで時々会う機会があり、折々ちょこちょこ話をしていた。こんな日が来るなんて夢にも思っていなかった。そして、三田さん、マサトさんも常々「空想の森」の上映の広がりを我が事のように喜んでくれる。上映後の話では、いつも話す事はあまりないと思いつつ、でも話したい事が結構あったりする。

質問は女性が一人、手を上げた。被写体の人たちがキャメラを意識していなかったが、どのように撮ったのかということだった。

交流会

上映後、そのまま会場で交流会。カレーライスとサラダを食べながら、N’DANAのメンバー、スタッフ、お客さんも交えた20人ほどで楽しく歓談。そしてお互い知らない人もいるので、自己紹介と今日の感想などを一人一人言うことになった。今回も様々なことをやっている人たちだった。映画を観て自分を振り返ったり、今やっていることや、これからやりたい事を話す人もいたり。

質問をした女性はこんな事を話していた。誰も知っている人がいなかったけれど、チラシを見て来てみた。初日のライブは周りが踊る中、乗ることができず座って見ていた。そして今日「空想の森」を観て本当に良かったと興奮した面持ちで話していた。きっと映画の中の何かが、彼女の中の何かに触れたのだろうと思う。そんな彼女の姿を見ていた参加者のある女性は言った。きっと彼女はこれから変わっていくんじゃないかと。

聡美さんも、大沼に越してきた事、これから養豚と野菜をやっていくことなどを話した。そして最近ようやく私がやっていることが少しわかってきたというような事を言っていた。私も最近聡美さんのことがようやくわかってきたのでお互い様だなと思った。

参加者の中に、最近函館に引越してきた人が3、4人もいた。道南・函館、これからもっと面白くなっていくのではという感じがした。

この日は誠さん宅に宿泊。妻の真実さんと三人で遅くまで話した。

 

2010年5月24日。

聡美さんにハウスや畑、豚小屋などを見せてもらう。とても眺めのよい山の中腹だった。聡美さんの新居で圭介一家とみんなで夕食。あかり、日菜、優作、耕作、子供たちが本当にかわいいさかりだ。聡美宅に宿泊。

山田家のメスブタ

2010年5月25日。

帰る前に山田農場にチーズを買いに行く。ついつい話が長くなり、お昼もご馳走になる。そのうち天気が崩れ始め、ものすごい風が吹き始めた。風が収まるまでおしゃべり。ヤギたちは風が弱まると放牧地に出て草を食べたりしている。そんな風景を眺めながら圭介一家は豊かな暮らしをしているなあとまた改めて思わされた。風が収まってきたので、圭介一家と別れ、こなひき小屋へパンを買いに行く。ずいぶん遅い時間になってしまったので帰るのをやめて親方の家に宿泊させていただくことに。

餌をやる聡美さん。おぶっているのは次女の日菜さん。

親方とおかみさんは、最近毎週火曜日に引き売りを始めた。小さなワゴン車にパンを載せて、奥地の農家地区へ行くのだ。生産者の人と直接話してパンを売り、自分たちもその農産物を手に入れる。今回はたくさんのいちごを買ったそうだ。それをジャムにして店で売るのだ。

夕食では今が旬のグリーンアスパラ、ホワイトアスパラのパスタをいただいた。ジャムにするいちごもとてもおいしかった。

そんなこんなで今回の函館上映も新しい出会いもあり、よき上映会だった。映画は人を結び、人は映画をつないでいくことを感じながら、次を考え始める初夏であった。

5月下旬の新内

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