金森ホール
十勝から函館へ。車に機材を積み、ロングドライブ。淡い緑、濃い緑、新緑のグラデーションが体を潤してくれるような道中だった。
昨年秋に函館で上映した時に見てくれた方が、「また上映したい!」と、マザーアースというイベントの中で上映できるように働きかけてくれたのだった。
マザーアースは、函館でアロマセラピーのサロンとスクールを経営している近江さんが中心になって開催しているイベント。今年で5回目。3日間やるのは初めてだそうだ。今年のテーマは「あなたと地球がつながる日」。
レンガづくりの金森ホールの中で、ヨガやキャンドルづくり、草木染め、アロマ、アフリカタイコのワークショップ、そして沢山の出店も並んだ。また、今年は函館で結成されたN’DANAの10周年。初日にそのライブがあり大変盛り上がったようだ。「空想の森」の上映は最終日の最後のプログラム。
私は上映前日に函館入り。機材や上映のチェックをするためだ。金森ホールで、実行委員長の近江さんと金森ホールの笹井さんと初めて顔を合わせた。笹井さんとは機材や上映準備のことで何度もやりとりをしていた。とてもしっかりした方だったので、私は上映に関しては安心していた。集客が少し心配だった。前売りがあまり出ていないと聞いていたからだ。
21:00。金森ホールでその日行われていた結婚式が終わり、ホールスタッフは一斉に撤収を始めた。そして上映チェックの準備。スクリーンは備え付けがないため、前回上映した森町のハル小屋さんからお借りしたとの事。会場の広さからすると少し小さいめ。プロジェクターを天井からつるしているため調整が難しかった。スクリーンにいっぱいいっぱいに画を映す事に手間取った。小一時間ほどかかってチェックを終えた。明日の金森ホールでの上映が楽しみになってきた。
今回も宿泊などでお世話になる池田誠さんと、今回N’DANA山北さんと教会でライブをしたアフリカの楽器ムビラ奏者アキさんと3人で飲みに出かけた。学生がよく来る飲み屋だそうで、ラムボールがやけにおいしく居心地がよかった。
アキさんは中南米やアフリカなどの国を旅した人で話がとても面白かった。私と誠さんは結構飲み、久しぶりにゆっくり話せてよかった。
誠さんは明日マザーアースで新得共働学舎のチーズを売るとのこと。アキさんは帰る汽車の時間までそれを手伝うそうだ。山田圭介一家もヤギチーズ製品を売りにやってくる。そしてとうとう4月に共働学舎をやめ、圭介一家の近所・大沼に引っ越した山田聡美一家も映画を観に来る。
この日は、とっていただいた駅前のホテルに宿泊。
左:あきさん、右:池田誠さん。共働学舎のチーズで出店。上映後、完売した。
2010年5月23日。
午後、金森ホールへ向かう。駐車場は満車。沢山の車が並んでいたので、届け物もあったのでPan屋へ向かう。あいにくおかみさんも親方もこなひき小屋の方にいて不在だった。まだ時間があったので、パン屋の2階の茶房たかはしに入ってコーヒーを飲んだ。店主の方に話しかけられたので、今回の上映のこと、映画の事などひとしきり話をする。
そして駐車場に戻ると待っている車は減っていて、30分ほど並んでようやく駐車できた。金森ホールの中はたくさんの店が並び、人であふれていた。圭介一家、誠さんも店を出していた。私は前の上映で映画を観てくれた人に結構話しかけられたりして嬉しかった。今日の上映会の司会をしてくれる山北さんや、近江さん、ホールの笹井さんなどと軽く打ち合わせ。そのうちマーケット終了の時間になり、みんな撤収を始めていた。私は店をよく見ることができず残念。
上映準備。椅子を並べ、音と画のチェック。昨晩あらかたやっていたので短時間でできた。あとはどのくらいお客さんがくるか。山田聡美一家もやってきた。ふたを開けてみたら、スタッフを含めて80人ほどの人が集まった。函館映画鑑賞協会の佐々木さんも来てくれた。何回も観に足を運んでいただいて本当にありがたい。

N’DANA 左から山北紀彦さん、木村優斗さん、三田健司さん。
オープニング。N’DANAのタイコが始まった。私はお客さんの頭越しに観ながら、この瞬間を体に刻み込もうと思った。
山田聡美さんも一家で見に来た。
今日のお客さんはわりと静かに観ていた。上映後、山北さんの司会で、N’DANAのメンバーと私の4人のトーク。山北さんがどんな感じでくるかと思っていたら、いたって真面目にきたので、私も真面目に話した。私は感慨深かった。山北さんがタイコたたきのプロになる前、私が映画をやろうかどうか考えていた時から、映画祭などで時々会う機会があり、折々ちょこちょこ話をしていた。こんな日が来るなんて夢にも思っていなかった。そして、三田さん、マサトさんも常々「空想の森」の上映の広がりを我が事のように喜んでくれる。上映後の話では、いつも話す事はあまりないと思いつつ、でも話したい事が結構あったりする。
質問は女性が一人、手を上げた。被写体の人たちがキャメラを意識していなかったが、どのように撮ったのかということだった。
交流会
上映後、そのまま会場で交流会。カレーライスとサラダを食べながら、N’DANAのメンバー、スタッフ、お客さんも交えた20人ほどで楽しく歓談。そしてお互い知らない人もいるので、自己紹介と今日の感想などを一人一人言うことになった。今回も様々なことをやっている人たちだった。映画を観て自分を振り返ったり、今やっていることや、これからやりたい事を話す人もいたり。
質問をした女性はこんな事を話していた。誰も知っている人がいなかったけれど、チラシを見て来てみた。初日のライブは周りが踊る中、乗ることができず座って見ていた。そして今日「空想の森」を観て本当に良かったと興奮した面持ちで話していた。きっと映画の中の何かが、彼女の中の何かに触れたのだろうと思う。そんな彼女の姿を見ていた参加者のある女性は言った。きっと彼女はこれから変わっていくんじゃないかと。
聡美さんも、大沼に越してきた事、これから養豚と野菜をやっていくことなどを話した。そして最近ようやく私がやっていることが少しわかってきたというような事を言っていた。私も最近聡美さんのことがようやくわかってきたのでお互い様だなと思った。
参加者の中に、最近函館に引越してきた人が3、4人もいた。道南・函館、これからもっと面白くなっていくのではという感じがした。
この日は誠さん宅に宿泊。妻の真実さんと三人で遅くまで話した。
2010年5月24日。
聡美さんにハウスや畑、豚小屋などを見せてもらう。とても眺めのよい山の中腹だった。聡美さんの新居で圭介一家とみんなで夕食。あかり、日菜、優作、耕作、子供たちが本当にかわいいさかりだ。聡美宅に宿泊。
山田家のメスブタ
2010年5月25日。
帰る前に山田農場にチーズを買いに行く。ついつい話が長くなり、お昼もご馳走になる。そのうち天気が崩れ始め、ものすごい風が吹き始めた。風が収まるまでおしゃべり。ヤギたちは風が弱まると放牧地に出て草を食べたりしている。そんな風景を眺めながら圭介一家は豊かな暮らしをしているなあとまた改めて思わされた。風が収まってきたので、圭介一家と別れ、こなひき小屋へパンを買いに行く。ずいぶん遅い時間になってしまったので帰るのをやめて親方の家に宿泊させていただくことに。
餌をやる聡美さん。おぶっているのは次女の日菜さん。
親方とおかみさんは、最近毎週火曜日に引き売りを始めた。小さなワゴン車にパンを載せて、奥地の農家地区へ行くのだ。生産者の人と直接話してパンを売り、自分たちもその農産物を手に入れる。今回はたくさんのいちごを買ったそうだ。それをジャムにして店で売るのだ。
夕食では今が旬のグリーンアスパラ、ホワイトアスパラのパスタをいただいた。ジャムにするいちごもとてもおいしかった。
そんなこんなで今回の函館上映も新しい出会いもあり、よき上映会だった。映画は人を結び、人は映画をつないでいくことを感じながら、次を考え始める初夏であった。
5月下旬の新内
2010年 6月 18日 | 記事分類: 旅する映画 (上映日記), 自主上映情報 | コメントを残す