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旅する映画 その32 京都シネマ6日目

2009年7月23日。
朝、宿をチェックアウト。

荷物を預け、劇場に向かう。
20人ほどのお客さんだった。

平日にこれだけの人が劇場に足を運んでくれたことに感謝の気持ちがわいてくる。

眞理子さんが今日も観に来てくれた。

上映後、女性から声をかけられた。

撮影の一坪悠介くんのお母さんの一坪由美さんだった。

ご挨拶とお礼をした。

そして眞理子さんも一緒に3人でお昼ごはんをご一緒することになった。

由美さんに「何が食べたいですか?」と聞かれ、私はあっさりしたものと答えた。

そして劇場から程近いとても美味しい和食のお店に連れて行ってもらった。

私と眞理子さんはビールとおいしそうな日本酒を注文した。

由美さんが車なのが残念だった。

そして和食のコースをいただきながら、映画のことや一坪君のことなどをお話した。

とても楽しい時間だった。

由美さんとお会いできてよかった。

食事をごちそうになったお礼を言って別れた。

その後、眞理子さんと喫茶店で少しおしゃべりをした。

京都シネマでの上映が始まってから、彼女はほぼ毎日観に来てくれている。

彼女は今、娘さんの病気のことなどで大変な時期なのだ。

そんな時だからこそ、一人真っ暗な映画館の中で「空想の森」を観ている時間だけは、自分も新得にいる感じがして幸せな気持ちになれると彼女は言った。

そして毎回、感じたり考えたり寝てしまう場所が違って面白いと。

私は思わず笑ってしまった。

こんな見方もあるのだなあ。

そして眞理子さんは「明日の最終日も観に行くからね。」と言った。

そして私は宿で荷物を受け取って上原七子さんのお宅へ向かった。

四条烏丸から小一時間ほどバスに揺られた。

言われたバス停で降りると、七子さんが自転車で迎えに来てくれていた。

私の荷物を荷台にのせてくれた。

5分ほど歩いてお宅についた。

上原商店という看板が入り口のドアにあった。

工場で扱うような部品やありとあらゆるものを扱う店をご主人とやっているのだ。

R0010605玄関先にチラシをはっていてくれた

七子さんは主に家で電話番と事務、ご主人は配達などで外をまわっていて19:30をまわらないと帰ってこないそうだ。

ふと玄関の脇に目をやると掲示板があった。

そこに「空想の森」と「バオバブの記憶」のチラシがはってあった。

「バオバブの記憶」の監督の本橋成一さんは自由学園出身で共働学舎の理事をしている。

R0010604

家にあがって、食卓に座り麦茶をいただきながら七子さんとお話をした。

食卓の脇に電話とファックスがあり、その横に事務机。その前には座布団。

脇には商品カタログが山と積まれていた。

「ここが私の仕事場なの。」と七子さん。

話している最中にも電話が鳴り注文が入る。

18:00を過ぎると、七子さんは「今日の仕事はこれでおしまい。」と言って、書類を片付け、座布団を机の下に入れた。

「店仕舞い、簡単でしょ。」と笑った。

そして夕食の支度に台所に入った。
19:30過ぎ、ご主人の攻(おさむ)さんが仕事から帰ってきた。

ご挨拶をして早速夕食になった。

食卓いっぱいに七子さんの料理が並んだ。

ピーマン、ししとう、なす、ゴーヤチャンプルなど久しぶりの野菜がいっぱいの家庭料理がとても嬉しかった。

R0010606

攻さんは大のビール好きでそれも瓶のモルツを必ず2本ほど飲む。

私が飲める人だと聞いて嬉しそうにビールをすすめてくれた。

七子さんはワインの方が好きとのことで、三人で乾杯した。

料理はどれもおいしかった。

食事をしながら、上原商店の看板をかかげるまでの話、信州の共働学舎で生活している息子さんの話、攻さんの趣味の尺八の話、二人の馴れ初めなど、色んな話をお聞きした。

攻さんは時々駄洒落などもはさむ。

とても明るい人だ。

そして功さんと七子さんの会話が、宮下夫婦の会話のようで面白かった。
朝早くから働く攻さんは先に床に着いた。

私と七子さんは2:00頃まで話しこんだ。

「明日の朝、出かける前に散歩をしましょう。いい散歩道があるの。」と七子さんに誘われていたが、これでは無理ねと二人で笑った。

楽しい夜だった。
明日はいよいよ最終日。

上映後、神戸へ移動して、まだ会ったことのない群馬の竹渕さんの友人にお世話になる。

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