2009年7月26日。
8:00。
真知子さんが迎えに来る。
藤本家にて朝食。
居間に入るとシェリーが私の足に体をすり寄せてきた。
そしてそっと頭をなぜると今度は頭をゴシゴシと力強くすりつけてきた。
朝からとても嬉しくなり、台所で朝食の支度をしている真知子さんに「真知子さーん、シェリーが触らせてくれた。」と叫んだ。
鯛茶づけ、たちのバター焼き、海老の素揚げ、レンコン入りさつま揚げ、モロヘイヤなど、朝から豪華な食事をいただいた。
9:40。
名残惜しいがシェリーに別れを告げ、真知子さんに車で劇場まで送ってもらう。
10:15。
アートビレッジに到着。
大阪からS夫妻がまた観に来てくれた。
今回は嬉しいことに奥さんの母上もいっしょだった。
映画に登場する宮下文代さんの弟、桂さんが声をかけてくれた。
よく見ると文代さんによく似ている。
話し方や雰囲気がこれまたそっくりだった。
京都で見損なったレンゲさんも友人二人を連れてやってきた。
「京都シネマ、レンゲさんのおかげであれから途中入場させてくれることになったんだよ。」と報告すると彼女は喜んでいた。
本橋成一監督も「バオバブの記憶」の舞台挨拶のために来ていたのでご挨拶をした。
東京のポレポレで一度お会いしたことがあった。
本橋さんはそれを憶えていてくれた。
時間になり初めのご挨拶をしてから上映開始。
今日はまずまずの人数だ。
私は一番後ろの席に座り、お客さんの頭越しに大きなスクリーンに映し出された「空想の森」を観る。
上映終了後、質疑応答。
文代さんの弟さんを紹介する。
引き続きロビーでお客さんとしばらくお話をする。そしてレンゲさんたち3人と昨日の食堂にランチに行くことになった。
この日はざるそばを注文した。
レンゲさんは2回目の映画の感想を話してくれた。
まず音楽。
オープニングは何かが始まるワクワク感、映画祭のラストは祭りが終わる寂しさや余韻。
ラストは映画が終わるさみしさと、希望。
そしてこれからこの人たちはどうなっていくのだろうということを思ったと。
1回目、七芸で観た時は、映画祭のラストカットは余計だなあと感じたが、今回はそこに作り手の想いを感じたと言った。
なんて嬉しい感想なのだろう。
岸本君に伝えたい。
あまりに嬉しくて新得の文代さんに電話をしてひとしきり話した。
14:45。
レンゲさんたちと別れた。
私はアートビレッジに戻り岸本君を待った。
すると、桂さんから電話が来た。文代さんから私が飲めることを聞き、今晩飲みませんかというお誘いの電話だった。
17:00
三宮駅で待ち合わせた。
今日は遅くなりそうなので自力で帰ることを真知子さんに連絡した。
3:00。
岸本君がやってきた。
樋野支配人に彼を紹介して、私たちは駅前の元町エビスに入った。
そこでビールを飲みながら今までの上映のこと、仕事のことなど様々な話をした。
京都での自主上映がいくつか決まりそうだし、またその時会おうと言って別れた。
17:00。三宮の駅で桂さんと落ち合った。
桂さんは人込みの駅の中を慣れた足取りですり抜け、細い路地へ入っていった。
両側に飲食店がびっしり並んでいる。
その中の居酒屋へ入った。
「ここはまだ一軒目ですからね。餃子のうまいところと、唐揚とビールのおいしいところと、あと二軒行きますからね。」
とニコニコして桂さんは言った。
桂さんの勤める会社は長い休みを取ることが難しく、まだ一度も新得に行ったことがないという。
今回映画を観て姉夫婦の暮らしぶりがわかってとてもよかったと言った。
そしてこうも言った。
「姉夫婦がうらやましいです。僕と反対の暮らしをしています。昔から姉の知り合いは、気持ちのいい人ばかりで、嫌な人に会ったことがなかった。」と。
そして定年したらゆっくり新得を訪ねることを楽しみにしているそうだ。
桂さんの携帯に文代さんから電話が入った。
あまり飲み過ぎないようにという姉からの注意だった。
桂さんは「はい、はい、はい。・・・もうわかってるわー。切るでー。」などと返している。
姉弟だなあと思った。
そして二件目。同じ路地の「悦記」という餃子専門店。
メニューも色々あった。
中国人の青年が鉄鍋ひとつで料理をしている。
お腹かいっぱいで他のものが食べられないのが残念だった。
餃子はほんとにうまかった。
一人前をペロッと食べられた。
そして3軒目。
唐揚はお腹がきつかったがおいしかった。
地ビールもおいしかった。
桂さんはよく飲み、よくしゃべった。
映画を本当に気に入ってくれたのが何より嬉しかった。
こうして桂さんともゆっくり楽しい時間がもててよかった。
10:00過ぎ、すっかりご馳走になった私は三宮で桂さんと別れた。
また神戸に来る時があったら飲みましょうと桂さんは言った。
そして私は舞子へと帰路に着いた。
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