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撮影報告 その57 秋・函館にて

 

2011年10月19日。

9月23日から始まった今回の旅。 茨城、群馬、福島、山形、そして最後に苫小牧で上映会をして終わりにしようと思っていた。

が、ランナーズハイ状態になり、洞爺湖・函館も寄ることにした。

エイヤと行って良かったなと思う。

 

野村家のアイドル・シュワちゃん。

広瀬隆さんの後援会の後、私は野村家に3泊させてもらった。

昼間は事務仕事をし、野村さんが仕事から帰ってくると彼女のおいしい手料理を食べ、酒を飲みながら、連日連夜、深夜まで話をした。 23日のつぶつぶ豆の会での原発カフェに参加したい気持ちを抑え、やはり帰ることにした。

 

帰りは山田農場に寄った。

やはりあゆみちゃんと圭介さんとは話をしたかった。

 

とても天気がよく、山田農場は相変わらず美しく気持ちがよかった。

放牧地の脇で寝転がった。

思い切り息を吸い込む。

草の匂いが心地よかった。

時々なくヤギの声、圭介さんが薪を運ぶ音、風が木を揺らす音しか聞こえない。

妙に心が落ち着いてきた。

ああ、やっぱり撮影しようかなーと思ったが、体がとても疲れていたのでやめた。

今日はこの心地よさに身をまかせようと思った。

いつの間にか、ヤギたちが寝ていた私を覗き込んでいた。

ガーコも元気だった。

太陽の光を浴びながらしばし昼寝を楽しんだ。

そして母屋に行き、昼ご飯をごちそうになった。

「遠慮しないでチーズいっぱい食べてね。」と圭介さんとあゆみちゃんは言った。 「じねんじょを見つけたんだ。」と圭介さん。

北海道はこの辺りが北限だそうだ。

じねんじょをすったものを玄米のごはんにかけて食べたらとてもおいしかった。

ボリボリやカブの入った具だくさんの味噌汁もおいしかった。

ほんと、おいしいもの食べてるわと思った。

 

三男の晴作くん。3か月。 時々にこにこっと笑ってかわいい。

そして私は撮影してきた茨城、群馬、福島のことをざっと話をした。

山田農場は暮らすこと、つまり食べること・おいしいチーズをつくることにしっかりフォーカスして一歩一歩、歩いているなあと感じた。 今回はもうヘロヘロで撮影できないが、また近いうちに撮影に来たいと思った。

 

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撮影報告 その56 広瀬 隆氏講演会

広瀬 隆さん。 2011年10月16日。 函館市亀田福祉センターにて広瀬隆さんの講演会。 日曜の夜にもかかわらず、320人の人が集まった。 私は3.11以降、ネットで毎日のように広瀬さん関係のユーストリームなどを見ていた。 この講演会の実行委員のメンバーは大間原発訴訟の会の人がたくさんいた。 左から大間訴訟の会の代表の竹田さん、ピーター・ハウエルさん。 左が大間訴訟の会の森越弁護士。 左が大間訴訟の会の事務局の大場さん、その隣が野村さん、右が中森さん。 野村さんは司会。 広瀬さんの取材をする石川さん。 札幌から小野有五さんもやってきた。泊原発の廃炉を目指す会のリーダー。 広瀬さんの講演の前に泊原発のことを話した。 広瀬さんは2時間半しゃべりっぱなしで、時に声をあらげ、ばっさばっさと切っていく。 一刻も早く、原子力発電所を止めたいと切に思う。 そのためにまず、原子力に関しての勉強し自分で判断できる知識を得ること、それと同時に、自分にできることをやっていくことが大事なことだと改めて思った。 しかし原発を止めても尚、危険な状態が続くことに違いはない。 そして、これから私たちはこの時代をどう生きていくのかということが問われてくるのだと思う。 広瀬さんはパワーポイントで写真や表をスクリーンに出しながら、飽きさせることなくすごいテンションで話をしていた。 自分の講演は2時間半では足りない、最低3時間は必要と言っていた。 野村さん。 竹田さんもご挨拶。 講演会の後の交流会。 交流会も20人くらいの人が参加した。 それぞれひとりづつ自己紹介などをして交流をした。 ずっと反原発運動をしていた人、3.11後に関わり始めた人、いろいろな人がいた。 森越さん。 私はまたビールを飲んだ。 野村さんは大事をとってお茶だった。 彼女が居酒屋でお茶をすすっているのが不思議な感じだった。 でも、今日の午前中はどうなることかと思ったので今晩はお酒を飲まない方がいい。 交流会はうおまさでやった。 ここのおかみさんも講演会に参加。広瀬さんの著書がさっそく店のピアノの上に置かれていた。 大場さんは相変わらず大好きなビールを飲みいい気分になっていた。

 

左から、野村さん、石川さん。

 

私と石川さんは野村家に泊まる。 竹田さんが車で送ってくれた。 竹田さんも大間原発の講演で飛び回っていて多忙を極めている。 みんな3.11以降、怒涛の日々が続いている。 体の疲れもたまりにたまっているはずだ。 野村家に帰り、結局3人で2時ころまで話してしまう。 話が尽きない。 […]

撮影報告 その55 函館へ

親方の家で晩餐。 この日、親方とおかみの結婚35年の記念日でもあった。それもみんなでお祝いした。

2011年10月15日。 洞爺湖ラムヤートを後にして函館へ車を走らせる。 パソコン環境がなかったのでラムヤートで3日間メールをチェックできなかった。

今晩お世話になる予定の野村宅もパソコン環境がないので、親方の家でメールをチェックさせてもらおうと思い、森町辺りでこなひき小屋の親方に電話をかけた。

そして親方は快く迎えてくれた。

パソコンをつなぎメールをチェックさせてもらった。 私は今回取材・撮影してきた茨城、群馬、会津若松の話をした。

親方は大人の学芸会のシナリオを書いたんだと見せてくれた。

「おい、晩飯食っていけよ。泊まっていけよ。」と親方。

今晩は野村家に泊まらせてもらうことになっているからと言うと、

「野村さんもここに来たらいいだろ。」と親方が言ったので野村さんに電話をかけた。

そして結局、野村さんと石川さんの二人が親方の家に来て私と3人で泊まらせてもらうことになった。 まだ店で働いているおかみにもこのことを電話をしたらこころよくオッケイしてくれた。

ワインの薀蓄を述べる親方。

8時過ぎ、野村さんと石川さんがやってきた。 親方は「今日はいいワインを抜くぞー。飲んでもいい日なんだ今日は。35年目の結婚記念日なんだ。」と言った。

おめでとうございますーと言ったが、あっちゃー、私また邪魔してしまったかなーとも思った。

この前親方の家にお世話になった時は、おかみの誕生日だった。

この日、3本のおいしいワインをみんなで味わった。

何だか私はとても楽しかった。

親方も12時近くまで起きて話していた。

親方とおかみが寝た後も私たち3人は話していた。

いつの間にか野村さんは寝ていた。

彼女は最近大きな仕事が一段落したばかりできっと疲れがたまっているのだろう。 石川さんと二人で話していたら、親方が起きてきた。2:00、仕事に出かける時間だった。

行ってらっしゃーいと送り出した。

そしてさすがに私たちも寝た。

2011年10月16日。

朝起きると石川さんは仕事に出かけていた。

おかみさんも4時ころ仕事に出かけている。

野村さんはまだ寝ていたので、私はとりあえず食器洗いをしていた。 野村さんが起きてきた。

でもとても調子悪そうだった。

居間のソファーに横になっていた。寒い、寒いと言うので布団をかけた。

おでこに手を当てると少し熱かった。

風邪をひいたのかもしれなかった。

動けそうにもない感じだった。私は薪ストーブをたき、お茶を入れ、おかゆをつくった。

野村さんはしばらくそこで寝ていた。

そして時々「この風の音がいいわよねー、この緑がいいわねー」などど言ったりした。

ミッシュ

今日の広瀬さんの講演会に行けるかなと心配になったが、今彼女は動けそうもないので私は昨晩の残りの鍋を食べ、パソコン仕事をしながら彼女の様子を見ていた。

親方の家はどの窓からも木が見えてとても気持ちがよかった。 午後2時ころ、野村さんは復活した。

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撮影報告 その54 ラムヤート その3

2011年10月15日。 曇り、小雨、時々晴れ。 今日は函館に移動する日。

洞爺湖まで来たのだから、10月23日の広瀬隆さんの函館講演会を聞きに行くことにした。

野村さんに連絡し泊めてもらうことになった。

 

今野家の表札はない。玄関のドアに名前を書いている。ゴンちゃんの名前もあった。

 

家の中ではネコたちが気持ちよさそうに寝ている。

 

朝食の後、撮影をしながら朝のミーティングに私も参加。

移動の支度をしなくては、などと思いつつ、ベットでまた寝てしまう。 マスキくんが「田代さーん、コーヒー入りましたよー」という声で起きる。

 

 

客室の風景。

 

客室の風景。

 

地方発送についてのミーティングが始まった。

古株のあゆみちゃんが話し合いをリード。

よりよくできるようみんなで意見を出し合っていた。

みんなこの店に誇りを持ち、大好きなことが伝わってくる。

ラムヤートのスタッフ。左からチャイチャイ、ゴンちゃん、あゆみちゃん。

はな美ちゃんは、チャイチャイの背中で眠っている。

ラムヤート・今野満寿喜さん。

 

ラムヤート・今野美環さん。

 

ラムヤート・息子・ゆうら。

福島県の双葉町に暮らしていた自然エネルギーアドバイザーの坂上尚之さんがやってきた。

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撮影報告 その53 ラムヤート その2

2011年10月14日。

今日は朝からしっかり撮影しようと思っていたのに思いっきり寝坊した。

9時半を過ぎていた。

ユウコちゃんは早く起きてすでに仕事に出かけていた。

食堂に降りていくと、ミワサンが「男性陣はまだ寝ていますよ。」と言った。 間もなくマスキくん、ゴンちゃんも起きてきた。

妊婦の体のラインの花器。店の前に置かれている。

 

10時の開店前、店の方でミーティング。

マスキくんは朝のこのミーティングを大事にしている。

マスキくん、ミワさん、ゴンちゃん、あゆみちゃん、はな美しいを背負ったチャイチャイ、そして私も撮影しながら参加。

みんなそれぞれ、今考えていること、感動したことなどを話す。このミーティングはホント、毎回楽しい。

私は今回撮影してきた群馬や会津若松でのことを少し話した。

そうこうしているうちに、お客さんがやってきてミーティングを終えた。

 

 

 

ミーティングの後、食堂でミワさんがマスキくんにこんなことを言っていた。 「私がもしもここの家族じゃなくても、ここのスタッフとして働きたいと思うわ。」と。 うわー、今、最高にマスキくん嬉しいんじゃないかなと私は思った。でも、褒められ慣れていないマスキくんはそれほど反応していなかった。

でもきっととても嬉しかったに違いない。

今日は店がチャイチャイ、厨房があゆみちゃん、マスキくんとゴンちゃんはオークションに出すものの整理。

ミワさんは家事といった布陣だった。

ラムヤートの裏の家。 ここに洞爺湖で捨てられたもの、もらったモノたちがぎっしり詰まっている。

マスキくんといっしょに、ゴンちゃんが黙々とモノの整理を進めていた。

 

古いモノが大好きでたまらないマスキくんは、それらをひとつひとつ魅力的に再生させている。

それらが誰かの手に渡り使われることに喜びを感じている。

ラムヤートの店や家にも、それらのモノがさりげなく、カッコ良く存在している。

 

ゆうらが風邪気味でいつもより元気がなかったが、毎日マスキくん、ミワさん、店のスタッフの人たちといられて幸せそうだ。

 

 

お昼。

 

この日、一日中、撮影をさせてもらった。

この夜もユウコちゃんが遊びに来た。

そしてまた、酒を飲みながらみんなで夜遅くまで話し込んでしまった。

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