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信級日記 vol.16

令和元年 6月29日

宮平の池田さんのお宅へ向かう。

宮平のバス停の向かいのお家だった。

道路まで出てきてくれていた。

越山さん宅が向かいにあり、越山さんご夫婦が家の前で二人で座っていた。

奥さんのタキ子さんは前に車で宮平を走っていたときに会った人だ。

4人でひとしきり話をして、池田さんの家へ。

せっかくなので撮影をさせてもらいながら、家を見せてもらった。

畑には色々な野菜が育てられていた。

かぼちゃ、ねぎなどは種採りをしているそうだ。

自分で作った炭窯、味噌蔵も見せてもらった。

池田さんは昨年99歳のお母さんを亡くしたばかり。

なんだかハリがなくなってしまったよ。とポツリと言った。

集落で引いている水、池田さんが独自で引いている水の2種類の水源がある。

宮平は水が枯れたことがなく、豊富だとのこと。

家の中も見せてくれた。

お母さんがなくなり、家のものを整理している最中とのこと。

タンスなどたくさん処分したそうだ。

屋根裏部屋には、長持ち、昔の食器、縄を作る道具、羊毛を紡ぐ道具など昔の道具があった。

池田さんは箒も自分で作ることができる。箒づくりの職人に習ったそうだ。

いろんなことができる人だなあ。

羽田さんにつくってもらった倉庫の中には、あらゆる農機具が入っていた。

家は空いているし、自分も週に一回はくるので使いたければどうぞと言ってくれた。

という事で撮影の時に池田さんの家を使わせてもらえる事になった。

泊まるところが増えるのはありがたい。

そうこうしているとお昼になった。

池田さんにお礼を言って、私は急いでかたつむり食堂へ向かった。

つづく

信級日記 vol.15

伊那のざんざ亭の長谷部さん

令和元年 6月28日

お昼はかたつむり食堂へ。

鴨ちゃんがシェフの日。私は定食を注文。

石坂さん、大桑さんのテーブルに座りおしゃべりしながらいただく。

かたつむり食堂は色んな人がやってくる。

ここで色んな人に出会う。

地域おこし協力隊で信州新町にきているチホちゃん。

「ブログ見ましたー!すごくよかったですー」

と言ってくれて嬉しかった。

彼女は信級で暮らしたいと思っている。そのために色んなことを勉強している最中。

罠の免許を取ったり、ジビエ料理も学びたいとのこと。

伊那のざんざ亭という宿をやっている長谷部さんがご飯を食べていた。

純子さんと何やら打ち合わせをするとのこと。

長谷部さんは、イノシシやシカなどの野生動物の料理人。

猟もできるし、解体もできるし、料理も。

自分で獲ってきた動物を解体し、内臓を色んなやり方で料理し編み出したオリジナルの料理だそうだ。

そのジビエ料理をざんざ亭という自身で経営している宿で提供している。

すごい!こんな人がいるんだー。

いつか泊りに行きたい。

純子さんがやってきて、長谷部さんと打ち合わせをはじめた。

12月にかたつむりで長谷部さんを呼んで、ジビエ料理を作ってもらおうとのこと。

純子さんがこのあたりで獲ったクマの肉を長谷部さんに渡した。

熊肉の料理の研究して12月に提供できたらとのこと。

臭みを抜くやり方があって、熊肉も美味しく食べることができるんだそう。

何やら楽しそうです。

羽田さんも一仕事終えてやってきた。

わさびの出荷を終え、ひと段落したそうだ。

相変わらずピシッとしてかっこいい羽田さん。

イチローさんもいつもの時間に一杯飲みにやってきた。

「焼酎は安いのはダメだ。百年の孤独がサイコーだ。明日持ってきてやる。」

大きな声で今日も元気だ。

宮平のヒロシさんも飲みに来てかたつむりは賑やかになってきた。

そしてさらに宮平の池田寿徳さん、村田修一さん、平林久さんがやってきた。

昭和13年生まれの3人の同窓会だ。

池田さんは塩尻に住んでいるが、週に一度、宮平の自宅にやってきて田んぼや畑をやっている。村田さんは埼玉在住。平林さんも関東に在住しているが、4月から10月は信級の家(イチローさんの家の向かい)に住んで畑をやっている。

3人は実に楽しそうに話をする。ビールもどんどん飲む。

私とチホちゃんも一緒に飲もうと誘われ、じゃあ、飲むかーということになる。

チホちゃんは車を運転して帰らなくてはいけないので飲まずに参加することになった。

チホちゃんの車についてきてもらい、私は自分の車を植野家に置いて、チホちゃんに乗っけてもらいかたつむりに戻る。

カナタの加藤さんが来ていた。私は加藤さん、石坂さんのテーブルに座った。

石坂さんがシェーンを飼う事になった経緯をポツリポツリと話してくれた。

一緒に暮らして3年。シェーンは寝るときには石坂さんの上に乗って寝るそうだ。

石坂さんにとってシェーンはもうなくてはならない相棒になっているのだと思う。

加藤さんとも少し話す。

「きゅうちゃん(加藤さんの息子さん)、とっても可愛いですねー」と私がいうと、

「そうなんだよ。ほんとカワイイんだよ。それでいいヤツなんだよ。」

と独特の可愛らしい声で言った。

そうこうしてると、池田さんたちから「こっちへおいでよー」と呼ばれた。

そして昭和13年組の同窓会に私とチホちゃん、そしてイチローさんも加わった。

昭和13年組の飲みっぷりはすごい。とても80代とは思えない。

私は撮影中なので控えめに。

イチローさんは相変わらず人の話を聞かない。

すると先輩の久さんが、

「お前は、信級だから生きてこられたんだぞ」

そんな事言われてもイチローさんは何処吹く風。

「オレはウソは言ってねー」

言いたい事を言えるこの関係性がいい。

しかし羨ましくなるほど仲がいい。小学校の時の友人とこんな風に飲めるなんて。

何かの話から「宮平って眺めがとびきりいい場所ですよね。一度泊まって朝日を浴びてみたいです。」

と私がいうと、

「ウチに泊まっていいよ。今晩でもいいよ。」と池田さん。

なんだかんだ話しているうちに、撮影の時に宿舎として泊まっていいと池田さんが言ってくれた。

「米も味噌もあるし、美味しい水もあるよー」と。

それで、明日、家を見させてもらう事になった。

この夜、イチローさんが私にこんな事を言った。

一昨年に植野くんが「風のたより」を小学校で上映した時のことだ。

「おらー、あの時30年ぶりに映画を見たんだ。内容はとても良かった!でも画面が暗くてなあ。ウチのテレビの方がずっといいわ。」と。

私はとても嬉しかった。

とてもいい晩だった。

信級日記 vol.14

岩下の女性陣。左から、かおりさん、ヨシコさん、カズコさん、キミエさん、サダコさん、エツコさん

令和元年 6月28日。

信州新町方面から信級へ向かうと、この先に集落あるのかな、と思うような道を登っていき、パッと開けたところに出る。そこが岩下。信級のとば口にある。

道路の両脇に紫陽花が植えられている。

まだ満開ではないが、綺麗に咲いている。

岩下はほとんどが苗字が越山。

なので越山さんと言ってもどこの越山さんかわからないので、みんな名前か屋号で呼び合っている。

小雨が降ってはいたが空は明るい。

私は撮影の支度をして、草刈りの場所へ早めに行くと、リーダーのエツコさんに、草刈りの様子を撮影してもいいですかと尋ねると、

「ご苦労さん。どうぞ、どうぞ。」と快く言ってくれた。

念のため草刈りに集まってきた女性たちにも撮影をしていいですかと尋ねると、皆さん快くオッケイ。

小雨の中、みんながそれぞれ鎌を持って道路脇の雑草を刈っていく。

カオリさん以外はみんな高齢の方。

そして一人、男の人はシゲトさん。

あらかじめ、シゲトさんが草刈機で刈ってくれていたので、作業は小一時間ほどで終了した。

そしてお茶タイム。

私も参加させてもらった。

お茶菓子を食べながら、畑のこと、蚊取り線香のこと、食べ物のをこなどなど、笑いが絶えないおしゃべり。

エツコさんはみんなに気を配り、まとめてるリーダーって感じだ。

こうやって1年に一回集まって一緒に仕事をしてお茶するってことも大事なコミュニケーションなんだなあ。

つづく

信級日記 vol.13

令和元年 6月26日

20:30過ぎ。無事、信級に到着。

植野一家、ちょうど田んぼに蛍を見に行って帰ってきたところ。

自分の田んぼで蛍が見られるなんて、いいなあ。

夜遅くまで植野くんと話す。

令和元年 6月27日

ゆっくり起床。

今回はキャビンの滞在。

まだ少し猫のオシッコ臭があるが、なんとか大丈夫だった。

昨夜は二人で結構飲んでいたようだった。

植野くんはあまり記憶がないらしい。

山と田んぼ、空。キャビンからの眺めは最高だ。

ああ、信級に来たなあ、と思う。

一応撮影機材を車に積んで、メイン通りを走る。

かたつむり食堂はお休みの日だったが、

食堂の隣で石坂さんが黙々と一人、丸太を組んでいた。

かたつむりの風呂をつくるそうだ。

ほんと、一人でなんでもできちゃうんだなー。

愛犬シェーンも元気だ。

植野くんのお隣の西川貴子さんが私が信級滞在中の7月4日に

信州新町で「空想の森」の上映会をやってくれることになった。

映画をとても気に入ってくれて、みんなに見てもらいたいと企画してくれた。

西川さんにとって初めての上映会の主催。

やろうと思ってくれたことがとても嬉しい。

午後から西川さんと一緒に機材をチェックをしに信州新町へ行くことになった。

信級から信州新町へ行く時、私はいつも下界に降りる感覚になる。

なんだか空気が違う感じがする。

西川さんは信級に移住してきて5年くらい。

「風のたより」を見てくれたことがきっかけで、「空想に森」の試写を見てとても気に入ってくれた。この映画がとてもいい!と熱をこめて語ってくれる。

私はとても嬉しいのだが、なんだか恥ずかしいような感じもする。

スピーカーとアンプは植野くんから借り、

プロジェクター、 DVDプレヤー、スクリーンは役場から借りる手配をしてくれていた。

役場に着くと、職員の方が一通り機材を繋いでくれて、画と音のチェックをした。

音もきちんと出て、まずは一安心。

あとは当日、会場でセッティングをするだけだ。

信級に帰って夕食前に、イサ、カナとサッカーをする。

子どもたちはほんと、エネルギーに満ちあふれている。

賑やかな夕食。

肉じゃが、油揚げとブロッコリーの炒め物、糠漬け、玄米、あさりの味噌汁。

美味しかった。

子どもたちの一番のご馳走は何と言っても白米。

玄米だとがっかりする。

白米だとものすごい喜ぶ。特にカナが。

米農家の子どもでよかったねー。

信級の写真集を見ながら、植野くんとつらつらと話す。

昨年、区長さんや何人かの信級の方が亡くなった。

写真集に出ている方々が一人、また一人と亡くなってゆく。

早く撮影を進めていかなくてはいけないと思ってしまう。

が、いやいや、焦らず、今を大事に一つ一つ撮っていこうと思い直す。

明日は岩下(植野くんたちが住むエリア)の草刈りがあるとかおりさん。

主に女性陣がメインでこの時期になるとやるそうだ。

今まで子育てが大変なかおりさんは免除されてきたが、子どもらも大きくなって今年初参加するとのこと。

せっかくだから、撮影させてもらおう!

ひと段落

6月下旬から7月中旬に渡って、2回目の信級の撮影、そして、

海と魚のことをみんなで考える会 in オホーツク(Radixの会 水産部会)の撮影を無事に終え、昨晩帰ってきました。

結構なハードスケジュールだったので、無事に仕事を終えることができるか、少し不安なところもありましたが、何とか踏ん張れました。

オホーツクでの3泊4日の撮影は感動の連続でした。

美味しくて安心して食べられるものをつくっている生産者や食品加工をしている全国の志ある方々と一緒に、オホーツクの3漁協の組合長のお話を聞いたり、工場を見せてもらったり、人も濃くて内容も濃くて、とても勉強させていただき、感動することも多々あり。勇気をもらいました。素晴らしい人たちとたくさん出会い、毎日濃い時間を共有しました。

少し体を休めて、これから信級の撮影のこと、オホーツクの撮影のことを、ぼちぼちブログを書いていこうと思っています。

 

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