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信級日記 vol.18

令和元年 6月30日

腰が痛い。

寝床から起き上がるのも痛みが走る。

ぎっくり腰で動けなくなった時と似た感じだった。

これ以上悪化させたらまずいと思った。

7月1日は羽田さんのインタビュー撮影を約束している。

インタビュアーは植野くん。

この撮影はなんとか頑張ってやって、あとは無理できないと判断。

1日、撮影が終わったら東京に行って、いつも体をケアしているところに行くことにしよう。

3日に信級帰ってきて4日の上映会をしっかりやって、5日に帰れるようにしようと思い段取りをした。

痛いけど、ゆっくりとは動けるので、さぎり荘へ温泉に入りに行く。

温めたら少しよくなった感じがした。

この日、あまり動かず過ごした。

蒸した暑い夜だった。

夕食後、みんなで蛍を見に田んぼに行った。

腰は痛むが、ゆっくり歩けば大丈夫だった。

田んぼの間の道をゆっくりと歩く。

「あー、いたー!」

ふわーっと小さな光が時々飛ぶ。

こんな子供の頃の思い出がある植野家の子供たちはいいなあーと思った。

信級日記 vol.17

令和元年 6月29日

今日は日本農業新聞の取材の日で、かたつむりで待ち合わせをしていた。

記者の清水さんとお昼ご飯を食べながら取材を受けた。

私はわさび丼を注文。

羽田さんのわさびだ。

ひとしきり話を終え、記事に掲載する写真の撮影。

雨が降ってきたので、かたつむりの前の田んぼの脇で傘をさしながらになった。

取材を終え、かたつむりに戻ると、石坂さん、高桑さん、そして吉澤さんが飲んでいた。

薬屋の中沢さんもやってきた。

中沢さんは信級の何軒かのお宅に薬を届けに定期的にきている。

いろんな面白い話をしてくれた。

中沢さんの友達と純子さんの弟さんがバンドを組んでいるとのこと。

歌っている時の写真を見せてもらった。

弟さん、めちゃカッコいい!!

定刻にイチローさんが100年の孤独という焼酎を抱えてやってきた。

そういえば、昨日、うまい焼酎飲ませてやる、明日持ってきてやると言っていた。

私は車なので飲めないというと、

「今飲んで余ったら、持って行って植野と一緒に飲め」とイチローさん。

昨日、イチローさんは先輩方に言われっぱなしだったが、今日はもうイチロー節が炸裂していた。

「オレは口は悪いが嘘は言わねー。写真は自然の写真しか撮らねー。自然は嘘をつかないからな。人間は嘘をつく。だから撮りたくない。」

「ほおおー。それはすごいなあ。」

吉澤さんはこの言葉にいたく感じ入っていた。

「飲め飲め」

すでにビールを数杯のんでいる吉澤さんに焼酎を勧めるイチローさん。

「うまいか?うまいだろ。この焼酎はな、ここらでは売ってないんだ・・・」

と話が続く。

車、カメラ、焼酎、イチローさんのよくする話のジャンルは決まっている。

「こいつは詐欺師だから信用しちゃだめだ。」

と私に向かって言う。

吉澤さんは以前保険のセールスマンをやっていて、女性のセールスレディーたちを束ねていたのだった。

「いやー商売はみんな詐欺みたいなもんなんだから・・・」

飄々とイチローさんに返す吉澤さん。

けっこうひどいことを言っても、なぜか憎めないイチローさんなのである。

吉澤さんとイチローさんが7月4日「空想の森」上映会とその後の打ち上げもに来てくれると言うので、西川さんに電話してお知らせした。

18時。お開き。

かたつむりの前で吉澤さんと別れる。

けっこう酔っ払っていてヨタヨタと歩いている背中を見送る。

そしてイチローさんを車に乗せる。

途中、桑の実をとりたいたいと言うので

止まって、しばらく実をとる。桑の実は子どもの頃の思い出がたくさんあるみたいだ。

植野家でかおりさんとミナトくんと夕食。

植野くんとイサ、カナは剣道で新町へ行っている。

雨が降り出した。

なんだか少し腰が痛くなってきた。

早めにキャビンへ戻り寝る。

9時頃か、救急車のサイレン。誰かに何かあったのだろうか。

心配になる。

純子さんからメールが来た。

なんと、吉澤さんが家の前で転んでうずくまっているところを、たまたま通りかかった中村和正さんが発見して救急車で運ばれたとのこと。

ああ、とにかくこの雨の中、和正さんが通りかかって見つけてよかったー。

信級日記 vol.16

令和元年 6月29日

宮平の池田さんのお宅へ向かう。

宮平のバス停の向かいのお家だった。

道路まで出てきてくれていた。

越山さん宅が向かいにあり、越山さんご夫婦が家の前で二人で座っていた。

奥さんのタキ子さんは前に車で宮平を走っていたときに会った人だ。

4人でひとしきり話をして、池田さんの家へ。

せっかくなので撮影をさせてもらいながら、家を見せてもらった。

畑には色々な野菜が育てられていた。

かぼちゃ、ねぎなどは種採りをしているそうだ。

自分で作った炭窯、味噌蔵も見せてもらった。

池田さんは昨年99歳のお母さんを亡くしたばかり。

なんだかハリがなくなってしまったよ。とポツリと言った。

集落で引いている水、池田さんが独自で引いている水の2種類の水源がある。

宮平は水が枯れたことがなく、豊富だとのこと。

家の中も見せてくれた。

お母さんがなくなり、家のものを整理している最中とのこと。

タンスなどたくさん処分したそうだ。

屋根裏部屋には、長持ち、昔の食器、縄を作る道具、羊毛を紡ぐ道具など昔の道具があった。

池田さんは箒も自分で作ることができる。箒づくりの職人に習ったそうだ。

いろんなことができる人だなあ。

羽田さんにつくってもらった倉庫の中には、あらゆる農機具が入っていた。

家は空いているし、自分も週に一回はくるので使いたければどうぞと言ってくれた。

という事で撮影の時に池田さんの家を使わせてもらえる事になった。

泊まるところが増えるのはありがたい。

そうこうしているとお昼になった。

池田さんにお礼を言って、私は急いでかたつむり食堂へ向かった。

つづく

信級日記 vol.15

伊那のざんざ亭の長谷部さん

令和元年 6月28日

お昼はかたつむり食堂へ。

鴨ちゃんがシェフの日。私は定食を注文。

石坂さん、大桑さんのテーブルに座りおしゃべりしながらいただく。

かたつむり食堂は色んな人がやってくる。

ここで色んな人に出会う。

地域おこし協力隊で信州新町にきているチホちゃん。

「ブログ見ましたー!すごくよかったですー」

と言ってくれて嬉しかった。

彼女は信級で暮らしたいと思っている。そのために色んなことを勉強している最中。

罠の免許を取ったり、ジビエ料理も学びたいとのこと。

伊那のざんざ亭という宿をやっている長谷部さんがご飯を食べていた。

純子さんと何やら打ち合わせをするとのこと。

長谷部さんは、イノシシやシカなどの野生動物の料理人。

猟もできるし、解体もできるし、料理も。

自分で獲ってきた動物を解体し、内臓を色んなやり方で料理し編み出したオリジナルの料理だそうだ。

そのジビエ料理をざんざ亭という自身で経営している宿で提供している。

すごい!こんな人がいるんだー。

いつか泊りに行きたい。

純子さんがやってきて、長谷部さんと打ち合わせをはじめた。

12月にかたつむりで長谷部さんを呼んで、ジビエ料理を作ってもらおうとのこと。

純子さんがこのあたりで獲ったクマの肉を長谷部さんに渡した。

熊肉の料理の研究して12月に提供できたらとのこと。

臭みを抜くやり方があって、熊肉も美味しく食べることができるんだそう。

何やら楽しそうです。

羽田さんも一仕事終えてやってきた。

わさびの出荷を終え、ひと段落したそうだ。

相変わらずピシッとしてかっこいい羽田さん。

イチローさんもいつもの時間に一杯飲みにやってきた。

「焼酎は安いのはダメだ。百年の孤独がサイコーだ。明日持ってきてやる。」

大きな声で今日も元気だ。

宮平のヒロシさんも飲みに来てかたつむりは賑やかになってきた。

そしてさらに宮平の池田寿徳さん、村田修一さん、平林久さんがやってきた。

昭和13年生まれの3人の同窓会だ。

池田さんは塩尻に住んでいるが、週に一度、宮平の自宅にやってきて田んぼや畑をやっている。村田さんは埼玉在住。平林さんも関東に在住しているが、4月から10月は信級の家(イチローさんの家の向かい)に住んで畑をやっている。

3人は実に楽しそうに話をする。ビールもどんどん飲む。

私とチホちゃんも一緒に飲もうと誘われ、じゃあ、飲むかーということになる。

チホちゃんは車を運転して帰らなくてはいけないので飲まずに参加することになった。

チホちゃんの車についてきてもらい、私は自分の車を植野家に置いて、チホちゃんに乗っけてもらいかたつむりに戻る。

カナタの加藤さんが来ていた。私は加藤さん、石坂さんのテーブルに座った。

石坂さんがシェーンを飼う事になった経緯をポツリポツリと話してくれた。

一緒に暮らして3年。シェーンは寝るときには石坂さんの上に乗って寝るそうだ。

石坂さんにとってシェーンはもうなくてはならない相棒になっているのだと思う。

加藤さんとも少し話す。

「きゅうちゃん(加藤さんの息子さん)、とっても可愛いですねー」と私がいうと、

「そうなんだよ。ほんとカワイイんだよ。それでいいヤツなんだよ。」

と独特の可愛らしい声で言った。

そうこうしてると、池田さんたちから「こっちへおいでよー」と呼ばれた。

そして昭和13年組の同窓会に私とチホちゃん、そしてイチローさんも加わった。

昭和13年組の飲みっぷりはすごい。とても80代とは思えない。

私は撮影中なので控えめに。

イチローさんは相変わらず人の話を聞かない。

すると先輩の久さんが、

「お前は、信級だから生きてこられたんだぞ」

そんな事言われてもイチローさんは何処吹く風。

「オレはウソは言ってねー」

言いたい事を言えるこの関係性がいい。

しかし羨ましくなるほど仲がいい。小学校の時の友人とこんな風に飲めるなんて。

何かの話から「宮平って眺めがとびきりいい場所ですよね。一度泊まって朝日を浴びてみたいです。」

と私がいうと、

「ウチに泊まっていいよ。今晩でもいいよ。」と池田さん。

なんだかんだ話しているうちに、撮影の時に宿舎として泊まっていいと池田さんが言ってくれた。

「米も味噌もあるし、美味しい水もあるよー」と。

それで、明日、家を見させてもらう事になった。

この夜、イチローさんが私にこんな事を言った。

一昨年に植野くんが「風のたより」を小学校で上映した時のことだ。

「おらー、あの時30年ぶりに映画を見たんだ。内容はとても良かった!でも画面が暗くてなあ。ウチのテレビの方がずっといいわ。」と。

私はとても嬉しかった。

とてもいい晩だった。

信級日記 vol.14

岩下の女性陣。左から、かおりさん、ヨシコさん、カズコさん、キミエさん、サダコさん、エツコさん

令和元年 6月28日。

信州新町方面から信級へ向かうと、この先に集落あるのかな、と思うような道を登っていき、パッと開けたところに出る。そこが岩下。信級のとば口にある。

道路の両脇に紫陽花が植えられている。

まだ満開ではないが、綺麗に咲いている。

岩下はほとんどが苗字が越山。

なので越山さんと言ってもどこの越山さんかわからないので、みんな名前か屋号で呼び合っている。

小雨が降ってはいたが空は明るい。

私は撮影の支度をして、草刈りの場所へ早めに行くと、リーダーのエツコさんに、草刈りの様子を撮影してもいいですかと尋ねると、

「ご苦労さん。どうぞ、どうぞ。」と快く言ってくれた。

念のため草刈りに集まってきた女性たちにも撮影をしていいですかと尋ねると、皆さん快くオッケイ。

小雨の中、みんながそれぞれ鎌を持って道路脇の雑草を刈っていく。

カオリさん以外はみんな高齢の方。

そして一人、男の人はシゲトさん。

あらかじめ、シゲトさんが草刈機で刈ってくれていたので、作業は小一時間ほどで終了した。

そしてお茶タイム。

私も参加させてもらった。

お茶菓子を食べながら、畑のこと、蚊取り線香のこと、食べ物のをこなどなど、笑いが絶えないおしゃべり。

エツコさんはみんなに気を配り、まとめてるリーダーって感じだ。

こうやって1年に一回集まって一緒に仕事をしてお茶するってことも大事なコミュニケーションなんだなあ。

つづく

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