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信級日記 令和2年秋 vol.50

 

 

2020年10月13日 曇り

朝、ストレッチをする。

コーヒーを飲む。

9:30出発。

宮之脇の明石家へ。

今度、撮影をさせてもうことになったので、

撮影の打ち合わせに。

仕事のこと、ここに移り住んだ理由、これからのことなど色々話をしてくれた。

信級には、植野家、浅野家、加藤家と同世代の家族が移住してきて暮らしている。

「彼らと一緒に歳をとっていくのもいいなあと思った。」

という言葉が心に残った。

お昼ご飯をありがたくご馳走になった。

信級はこれからどんどん人が少なくなっていくけれど、

ここで暮らしていきたいという若者もいる、伸びしろがたくさんある場所でもあると感じる。

明後日の撮影が楽しみだ。

明石家を後にして、下へ降った。

日向畑へ出ると、メリーさんが九ちゃんとフラフープをしていた。

メリーさんとも久しぶりだ。

少し立ち話をする。

すると、いうらちゃんが散歩でメリーさんの家の前を通りかかり合流。

昨日、メリーさんとカナタのメンバーが

ヒロコさんたちに藍染のやり方を教えてもらったそうだ。

あいにくメリーさんは風気味であまり参加できなかったそうだ。

これから自分たちで藍染ができるようになりたいので、

昨日やった残りの液を使って、またヒロコさんに教えてもらおうか、

とやす栄さんと相談しているとのこと。

ヒロコさんさえ良ければ、撮影しても大丈夫ということを言ってくれた。

これはぜひ撮影させてもらいたいと思っていたので、とても嬉しい。

メリーさんの旦那さんの哲朗さんが、カナタというブランドの洋服を作っている。

「せっかくここに暮らしているのに、私はほとんど事務仕事なんです」

とメリーさん。

もっとここの暮らしの素晴らしさを発信していきたいと彼女は言った。

メリーさんは信級が本当に大好きなのだ。

そしてメリーさんの家の前の土蔵の中のギャラリーを見せてもらった。

今はギャラリーとしては使っていなくて、哲郎さんの仕事場になっているそうだ。

メリーさんにも今回日常を撮らせてもらうことになった。

今まであまり話す機会がなかったので楽しみだ。

そして関口家へ。

庭の小さなハウスの中で、チカオさんが青菜を植えていた。

撮影していると、後ろから「許可なく撮影しちゃダメだ〜」とヒロコさんの声。

「いいさー」とチカオさん。

私は撮影を続ける。

そうこうしていると、ヒロコさんも一緒に青菜を植え始めた。

夫婦漫才のような掛け合いをしながらの畑仕事。

いいなあーと思いながら撮った。

しかし、なんとこれは撮れていなかった。

レックとストップが逆になっていたのだった。

またこういうシーンを撮れるか分からないのに、ほんと悔しくてしかたなかった。

今日も濃い1日だった。

[…]

信級日記 令和2年秋 vol.49

 

 

2020年10月12日 晴れのち曇り

ゆっくり起床。

体に疲れを感じる。自宅を出てから6日目。そろそろ1回目の疲れが出る頃。

コーヒーを飲み、ストレッチなど。

昨日純子さんが作ってくれたお弁当を食べる。

ガスコンロの電池が切れた。とりあえず、玄関にあった懐中電灯の電池を外してコンロへ。

午後、岩本の羽田さんの家へご挨拶へ。

お昼寝をしていたようだが、出てきてくれた。

お肌も艶々、髪も黒々で相変わらずとても元気そう。

今年は暑すぎてわさびがダメだったこと。植えるわさびの苗もイノシシにやられて、今年はわさびを植えないとのこと。

毎日焼酎と黄門様は欠かせないと笑った。

とても87歳には見えない羽田さんだった。

天気がいいのでいうらちゃんに教えてもらった宮平の散歩コースへ。

三脚を担いで撮影しながら、1周歩く。

ここからの本鹿谷の眺めは格別だ。

汗だくだくになったので、一度宿舎に戻り休憩。

窪田さんや博さんに電話。

夕方、風呂の支度をしてさぎり荘へ。

石坂さんからいただいたチケットを使わせてもらった。

ゆっくり温泉に入った。

フロントに小山さんがいたのでご挨拶。

前にいたスタッフの方の顔が見えなかったので聞いてみると、

お二人とも退職されたそうだ。

そんなこんなで色々と大変だったそうだ。

でも明石くんがスタッフに加わり、

go toで宿泊が増えているとのこと。

私も16日、柳屋さんがくるので宿泊予約もした。

夕食もさぎり荘のレストランでとった。

ここのサフォークは美味しい。

[…]

信級日記 令和2年秋 vol.48

 

 

2020年10月11日

朝のコーヒーが美味しい信級です。

寒くなってきたので、浅野さんから電気ストーブを借りてくる。

10:00 関口家へ。やす栄さんとヒロコさんと居間でお茶をいただきながらおしゃべり。

チカオさんは長者へ野沢菜をとりに行ったとのこと。しばらくしたら軽トラの荷台に

長者の大きな野沢菜と大きなキノコを乗っけて帰ってきた。

今回、去年撮影したのもを荒く編集し、DVDに落として持ってきた。

やす栄さんにDVDプレーヤーを用意してもらって、みんなで見ることにした。

「こんな汚いところを撮られたくない。」と

ヒロコさんは撮影されることが嫌なので、撮ったものを見てもらって撮影に抵抗が少なくなればいいなあという気持ちもあった。

映像を見ながら、「へーこんな風にしてるんだ〜。」とか

「もっとこうすればいいのに」など、

いろんなことを話しながら、結構面白く見てもらえた。

ヒロコさんとやす栄さんは明日、藍染のやり方をカナタの加藤さんたちに教えることになっている。

その準備で、昔、ヒロコさんが藍で染めたエプロンや暖簾などを出してきて

私に見せてくれた。

エプロンは、もう30年来つかっている愛着のあるもので、なんとも味がある。

時々、藍染などの手仕事を地域の人に教えに行く時に使うそうで、

わさびの葉、羊、犀川、この地域を代表するものをエプロンの表に自分で描いたものだった。

日々の農作業で忙しい中でも、仲間と集まっていろんな手仕事をしていたんだなあ。

なんて豊かなんだろう、とまた改めて感じた。

 

この日はヒロコさんが撮影をおっけいしてくれたので、キャメラを回した。

そのエプロンをつけながら、ヒロコブレンドティーの葉のブレンドをした。

このヒロコさんのお茶、関口家に行くといつも飲ませてくれる。

これがなんとも美味しいのだ。

毎日、自分の庭などでとったハーブの葉(乾燥したもの)、玉ねぎの一番外側の茶色い皮、煎った玄米など5〜7種類くらいのものをブレンドする。

それを大きなヤカンに入れて煮出す。少なくなったら水を足しながら一日中飲むのが関口家流。

ヒロコさん、いい感じで話してくれて、とっても嬉しかった。

関口家の縁側から、イウラちゃんがベビーカーに一花ちゃんを乗せて

橋の上を歩いているのが見えた。

本当に毎日宮之脇から散歩しているんだなあ。

「いっかちゃーん」と私が叫ぶと、クルッと方向を変えて関口家にやってきた。

 

 

 

いうらちゃん親子も一緒に、またお茶のみ第二弾が始まった。

赤ちゃんがいるとなんとも和む。

そして私が撮影している時、いうらちゃんがお茶のことなどヒロコさんに質問したりして

それもいい感じだった。

夕方、かたつむり食堂へ。

今日はヒロコさんの話を聞けて、初めてちゃんと撮影できて嬉しくてビール2杯飲んだ。

純子さんが香だけという美味しいキノコを天ぷらにしてくれた。

やす栄さんもやってきた。

石坂さんと三人で、食堂の残りものをつまみながらおしゃべり。

やす栄さんとは同世代。話も弾む。

1日ひとつ、いい撮影ができたらこんなシアワセなことはない。

この夜、イナバの家のお風呂にお湯をためて初めて入った。

なかなか気持ちが良かった。

今日も濃く良き一日だった。

[…]

信級日記 令和2年秋 vol.47

 

2020年10月10日 雨のち曇り

ゆっくり起床。

昼まで雑巾掛けなど宿舎の掃除。

コーヒーを淹れる。信級の水でつくるコーヒーはやはり美味しい。

かたつむり食堂は土日にオープンしているので早速行く。

純子さんと再会。

いつも通り元気はつらつ。

お土産の共働学舎の小玉ラクレットをとても喜んでくれた。

石坂さん、中村組の吉澤よしおさん、イチローさんもやってきて賑やかな食堂になった。

今日は18:00イチローさんちの薪ボイラーの風呂に入らせてもらうことになった。

ひとしきり話をした後、私は當信神社へご挨拶へ向かう。

「またお世話になります。よろしくお願いいたします。」

とご挨拶。

それから、神社の下の家に越してきた明石さんの家を訪ねてみた。

信級に新しく越してきた明石家を撮影させてもらいたいと思っているので

撮影のことも話してみようと思った。

明石さん(ダンナさん)はさぎり荘に勤めている。

奥さんのイウラちゃんがいたのでひとしきり話をした。

元々、植野くんの友人で旧姓は井浦。それでいうらちゃんと呼ばれている。

とっても面白い人だった。

撮影のことも快諾してくれた。

ダンナさんの明石さんが岡山の古民家ゲストハウスを経営していてそこで知り合い結婚。

岡山を引き払い、植野くんとの縁で、

この夏、8ヶ月になる一花(いちか)ちゃんと3人で信級にやってきた。

今は、神社の下の宮司さんの家に仮住まいしている。

ここからほぼ毎日、いっちゃんをベビーカーにのせて、山をくだり、

中村、岩下の方まで散歩している。

信級のメインストリートを毎日のように散歩しているので、

集落の人たちと顔を合わせる。

そして、野菜などよくもらうそうだ。

それをベビーカーに積んで帰り、次は自分で焼いたパンなどをお返しにあげたりしているそう。

「私のお気に入りの散歩コースがあるの。一緒に行く?」

とイウラちゃん。

宮之脇から宮平へ登っていって、宮平遺跡の脇を通ってくるっと一周するコースを一緒に歩いた。

いっかちゃんも楽しそうだ。

私は初めての道だった。

とても気分が良くなる道だった。

また違う角度からの本鹿谷の眺めがとてもいい。

宮平が何故か大好きな私はそのことをイウラちゃんにいうと、

イウラちゃんも宮平が大好きだそうだ。

なんだか嬉しくてワクワクしてきた。

一度宿舎へ戻りコーヒーを飲み一息つく。

 

17:00 かたつむり食堂へ。石坂さんが山でキノコをたくさんとってきて、

純子さんと二人でテーブルに並べていた。

博さん、吉澤よしおさんが飲んでいた。

イウラちゃんがいっかちゃんと散歩の途中で食堂に顔を出した。

チカオさんの娘さんのやす栄さんもやってきて食堂は一気に賑やかになった。

五十歳くらいの時、初めてちゃんと仕事しようと思ったこと、

天龍の現場で初めて先輩に仕事を認められたことなど、

博さんはよく飲みよくしゃべった。

[…]

信級日記 令和2年秋 vol.46

2020年10月9日

キャメラ、三脚、鍋釜、食料など車に積み込み、久しぶりの長距離運転。

苫小牧港へ着く少し前、警察に捕まる。

スピード違反か?と思いきや

右車線をずっと走っていたということで、注意と減点だった。

罰金でなくてよかった〜。

これからまだ先が長い。

運転気をつけようと気を引き締めた。

8日の夕方に新潟港に到着。

無理をせず月岡温泉で一泊する。

朝、温泉に入る。

なんとも気持ちがよくシャキーンとする。

温泉のパワーはすごいとつくづく思う。

日本って最高!と思わずにはいられない。

信級に向けて出発。

台風の影響で時々強風。

途中、新井パーキングエリアに初めて寄ってみる。

地元の新鮮な野菜や果物、名物のものなどがたくさん売られていた。

ねぎ、なす、きゅうり、りんご、食パンなど食料を買った。

信州新町に入り、尾澤酒造に寄る。

杜氏のみゆきさんがいて、お互いの近況を話す。

今年はいろいろ大変で酒造りを休むかもしれないとのこと。

私は大好きな「真賞」を1升買う。

信級に到着。ああ、信級に帰ってきたーという感じになる。

今回の宿舎は「イナバの家」。

かたつむり食堂の純子さんが借りている家をお借りする。

食堂の近くだ。

大きな一軒家だった。

家の中をざっとみて回った。

奥に襖で仕切られる大きめの部屋が3つほどあった。

仏壇があったので、お世話になりますとご挨拶をした。

襖が完全に閉まらなかったので、

玄関からすぐの一番小さな部屋を寝床にすることにした。

カメムシが結構たくさんいた。

主な部屋をささっと箒で掃き出す。

奥の部屋に積まれた布団を一組、寝床の部屋に運ぶ。

玄関前に車を止め、車の中の荷物を家の中へ運び込む。

掃除は後ですることにして

まずはみんなにご挨拶に出かける。

浅野家へ。

奥さんの優美子さんは臨月だった。3人目で女の子とのこと。

細い人なので妊娠してると言われなければわからないくらいだ。

お互いの近況をひとしきり話す。

信級に赤ちゃんが生まれる。しかも女の子。

嬉しく明るい気持ちになる。

炭焼き職人の関口近夫さんの家へ。

チカオさん・ヒロコさん夫婦とkanaka の加藤哲朗さん、鴨林さん(カモちゃん)が

縁側でお茶飲みをしていた。

私も縁側に座り、ヒロコさんがいろんな葉を干してブレンドしたお茶をご馳走になる。

藍染をヒロコさんたちに教えてもらおうと話をしていた。

ああ、いいなあ、撮影したいなあと思いながらその話を聞いていた。

とにかくみんな元気でよかった。

かたつむり食堂へ。

[…]