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旅する映画 その25 福岡アジア映画祭3日目

映画祭のスタッフの方々

2009年7月5日。 14:00。起床。

今日は18:30からの上映だ。

それまで映画を観ようと思っていたがあきらめた。

さすがに調子狂う。

スタッフは眠かろうなあ。

風呂に入り、身支度をして夕方、会場に行く。 スタッフに大丈夫だった?と尋ねると、みんな時間ギリギリに会場に来たとのこと。

右が早川由美子監督左が私。

早川由美子さんが荷物を持って来ていた。

他の上映会からかけつけたそうだ。

彼女は明日も他の上映会に移動するとのこと。

はりきって元気そうだ。もうすぐ彼女の映画の上映が始まる。

早川さんの映画「ブライアンと仲間たち」の上映の途中で眸古ちゃんから電話が入り、私は外に出た。 雨がまた降り出していた。

眸古ちゃんと近くのカフェでお茶をした。

映画のこと、今の仕事のことなど色んな話をした。

同じ作り手として話ができるのは嬉しく、私もがんばっていこうという気持ちになった。

上映時間が近づいてきたので二人で会場に戻った。

前田さんや早川さんに眸古ちゃんを紹介した。20人弱ほどのお客さん。18:30。

最後の上映が始まった。

質疑応答では色んな質問が出て、いい最終日の上映になった。

司会の前田さんは、この映画祭が九州での自主上映につながっていけばと言って締めた。

二回目の眸古ちゃんは、今日の方が落ち着いて観る事ができてすごく良かったと言ってくれた。

無事3日間の上映が終わった。

今晩が本当の最終日の打ち上げだ。

なんとモツ鍋屋だ。

私がモツ鍋食べたいと言っていたので、変更してくれたとのこと。

すごく嬉しかった。ああ福岡によかった。

せっかくだからと、眸古ちゃんもいっしょに打ち上げに参加することになった。

きれいでおしゃれなモツ鍋屋さんだった。しょうゆ・しお・とうにゅうの三種類のモツ鍋。

モツがまるまるしていて中がゼラチンみたいで本場もんはやはりおいしいと思った。

最後は麺を入れて。これまたうまい。

またぜひ食べに来たい。

私は最後なので、なるべく色んな人とお礼方々話をした。

福岡でも様々な人と出会った。

それぞれみんな一生懸命に自分の人生を生きている。

そんな人たちから、私はまた力をもらったような気がする。そしてまたいつか福岡で上映をしたいと思った。

[…]

旅する映画 その24 福岡アジア映画祭2日目

左から金知映(キム・ジョン)監督と蜷川澄村助監督

2009年7月4日。 天気が良くてホッとした。

今日は12:00からの上映だ。

会場まで歩いて行く途中喫茶店でモーニングを食べた。 昨日の「彼氏に振られて四国って、お遍路、歩く禅」の監督たちが観に来てくれた。

彼らはこの後帰るとのこと。

眸古ちゃんから電話があり、明日「空想の森」を観に来てくれることになり喜んだ。

20人ほどのお客さんが観に来てくれた。

まずまずの人数だ。みんな静かに観ていた。

質疑応答では、主人公を選んだ理由や柏の木のことなどいくつか質問された。

無事に2日目の上映が終わった。

博多駅は工事中だった

そして博多駅のシネリーブルに営業に行くことにした。

映画祭スタッフに行き方を尋ねたら、不案内な私を心配して、劇場のあるビルまで原田さんがいっしょについてきてくれることになった。

会場の前からバスに乗った。

原田さんは今回、韓国映画の英語字幕の日本語翻訳を担当したそうだ。今回が初めてで、字幕翻訳の大変さを色々話してくれた。

博多駅は改築中だった。その横のビルの中に劇場がある。

お礼を言ってここで原田さんと別れた。 シネリーブルは大きな劇場だった。

ここも飛び込みだったが支配人と会って話せた。

プログラムは東京で決めているとのこと。一応ざっと話し、資料だけお渡しした。

シネリーブル

そして会場に戻り、「色彩の記憶」を観た。御法川監督も来ていた。質疑応答で熱く語っていた。

上映終了後、今夜が打ち上げとのこと。

会場の隣のビルの居酒屋にスタッフ30人以上が集まった。

この映画祭も全員ボランティアスタッフだ。

若い女性が多く男性スタッフは押され気味だった。

日本酒党の直子さんの夫、芳和さんもスタッフで、映写技師をしている。

女性スタッフも映写ができるように今仕込んでいるところだそうだ。

芳和さんは下戸。

お茶を飲みながら酔っ払いの私たちの相手をしている。

ミヨさんは周りに気を配りながらマイペース。

夫の映画祭実行委員長の前田さんはかなり飲んでいて楽しそうに話に花を咲かせている。

半分以上の人が帰り、残った人たちできゅっと小さくまとまり、まだ話が盛り上がっていたがお開きになった。

「屋台は明日行こうと思っていたけど、今日行くか!」と前田さんが言った。

そしてみんなで歩いて長浜の屋台に向かった。

魚市場の横にずらっと屋台が並び、煌々と光を放っていた。

結構人出もある。

私たちは長テーブルにつき、ラーメンを食べた。

夜中に食べるラーメンもこれまたおいしかった。

私はあとモツ鍋を食べたら、福岡で食べたかったもの全部食べたことになる。

そして焼酎を飲みながら、延々朝の4時頃まで飲んだ。

スタッフの人たちはみんな仲がいい。

直子さんは時々座ったまま寝て、しばらくするとまた起きて飲んでいた。

[…]

旅する映画 その23 福岡アジア映画祭1日目

2009年7月3日。 12:30。

宿の近くの定食屋で塩さば定食を食べる。

安くてボリュームもありおいしかった。

突然どしゃぶりの雨が降ってきた。

困ったなあと思っていたら、店の人が親切に傘を貸してくれた。ありがたくお借りし、映画祭で来ている旨を伝え、映画の宣伝もした。 今日は16:00からの上映なので時間がある。

KBCシネマに営業に行くことにした。

ここから歩いて行ける距離なので散歩がてら歩いた。

幸い雨もだいぶ小降りになってきた。

15分ほど歩く。

鮮やかな黄色の壁の建物がKBCシネマだった。

目の前に親会社のKBCテレビのビルが建っていた。 2スクリーンあるきれいな設備の整った劇場だった。

飛び込みだったが、宮定貴子支配人と一時間ほど色々お話することができた。

何年か前にDVカム上映の設備も導入したそうだ。映画の合間に中も少し見せてもらった。

資料を渡し、ぜひ上映をとお願いし劇場を後にした。

また少し雨が降っていた。

もう映画祭会場に向かわなければいけない時間になっていた。

左から前田秀一郎さん、みよさん、勝間田直子さん

15:00過ぎ、会場に着いた。

ビルの5階に上がると、エレベーター脇に受付があった。映画祭の実行委員長の前田秀一郎さんと連れ合いのミヨさんやスタッフの方たちにご挨拶。

今日の上映終了後、スタッフと他のゲストたちと夕食を食べに行きましょうとのこと。 会場は会議室のようなところで、50人ほどが入る広さだった。

前の映画が終わり、私は会場に入って画と音のチェックをした。

今回DVカムデッキを用意できないとのことだったので、ビデオキャメラをプロジェルターにつないでもらい、ミニDVで上映することにした。

途中でテープのかけかえをしなくてはいけないが仕方ない。

準備が整った。平日のためか、雨のせいか映画祭のお客さんは少なめだ。

質疑応答

16:00。上映開始。10人ほどのお客さんだった。

上映後の質疑応答では熱心に質問された。 お遍路の格好をしていてとても目立つ二人がいた。

次に上映される「彼氏に振られて四国って、お遍路、歩く禅」の韓国の金知映監督と助監督の蜷川澄村さんだった。

とっても面白い映画だった。

ただ整音をしていないのが気になった。質疑応答では、初めてつくった映画ということで、蜷川さんは映画作りの大変さを語っていた。

監督は日本語でこれからも映画をつくっていきたいと話していた。

結構強烈なキャラクターで面白そうな人たちだった。

今日の上映が全て終わり、スタッフと先ほどの監督たち10人ほどで夕食へ。

「月のうさぎ」という手作り料理とおいしいお酒がそろっているこじんまりした店だった。

まずはみんなで乾杯。チジミ、ポテトサラダなど料理も美味しかった。

助監督の蜷川さんは、京都で宿を経営していている。

泊まりに来た監督と知り合い、映画づくりに協力するようになったらしい。

酒のメニュー表に「東一」を発見。

私の大好きな日本酒だと言うと注文してくれた。

日本酒が大好きな映画祭スタッフの勝間田直子さんと喜び、「やっぱり美味しいね。」と話も弾んだ。

ミヨさんはウサギを飼っているそうだ。

猫や犬と同じようにかわいがっているそうだ。

写真を見せてもらったが、確かにかわいかった。

ウサギの飼い主たちの会もつくって活動しているそうだ。

そんなこんなで楽しく賑やかな映画祭初日の夜だった。

[…]

旅する映画 その22 福岡へ

左から城田容子さん、山本眸古(ひこ)監督

2009年7月2日。 福岡アジア映画祭で「空想の森」が上映されることになった。

初めての九州での上映。

とても楽しみだった。

去年9月のあいち国際女性映画祭で出会った「小梅姐さん」の山本眸古(ひこ)監督は福岡の人。

会う約束をしていた。

それから、春に東京で会った「ブライアンと仲間たち」の早川由美子監督も、この映画祭に参加することになっていた。 それから、九州でも上映を広げていくために、ミニシアターを3軒ほど営業にまわる予定を立てた。 福岡周辺の局地的な雨のため40分遅れの16:40に空港に着陸。

そこから天神駅まで電車に乗った。

駅から宿まで歩くと、汗が噴出してきた。やはりかなり暑い。

間もなく眸古ちゃんが宿に迎えに来てくれた。

10ヶ月ぶりの再会。

今、宿の近くのシネリーブルという劇場で彼女の監督作品「小梅姐さん」が上映中だ。

地元の彼女は舞台挨拶に来ていたのだった。

ちなみに今日の「小梅姐さん」は大盛況で立ち見が出たそうだ。 それでちょうどいいからと、早速私を劇場に連れていってくれて、杉井昌明支配人に紹介してくれた。

ビルの地下にある小さな劇場だった。

資料を見せながら「空想の森」の製作のこと、どのように上映をしていきたいかを話した。

そして試写DVDや資料一式を渡した。

福岡の劇場の状況や映画のことなどを三人で色々と話しができてよかった。

そして、眸古ちゃんの車に乗り、いざ晩ご飯へ。

福岡で何が食べたいか彼女が事前に私に聞いてくれて、私は水炊きをリクエストした。

おしゃれないい店だった。

焼酎や日本酒も色々取り揃えていた。

私はビール、眸古ちゃんは車なのでお茶で乾杯し再会を喜んだ。

水炊きコースというものを初めていただいた。鶏の胸肉・すなぎもなどの刺身。

これを柚子胡椒で食べた。これがとてもうまいのだ。

軟骨の唐揚、手羽先を食べ、そしていよいよ水炊きだ。

まず、スープを楽しむ。これだけでかなり美味しい。

そしてひき肉とたまごの黄身を混ぜ合わせ、肉ボールをつくる。鍋にはキャベツ、玉ねぎ、しいたけ、人参などの具材も入れる。

最後はご飯を入れておじやをいただく。

そしてデザートはゆずアイスクリーム。

かなり美味しかった。

また食べに来たい。 眸古ちゃんは福岡を拠点に現在テレビのドキュメンタリーの仕事を主にしている。

映画にしたいテーマがあり、いつかそれをつくろうとしている。

途中、眸古ちゃんの友人の城田容子さんが合流した。

彼女は地元のテレビ局で美術の仕事をしている。

そして劇団PA!ZOO!の看板女優でもある。

彼女が舞台に出て行くだけで笑いがおこるらしい。

話をしていて、表現したいものやつくる姿勢などに通じるものを感じ、とっても嬉しくなり、かなり盛り上がった。

城田さんに会えてよかった。三人でおいしい食事と楽しい話ができてとてもいい時間を過ごした。

眸古ちゃん、ご馳走様でした。

そしてこの後、更に眸古ちゃんは車で夜の福岡を案内してくれた。

中州の歓楽街、明日の上映会場の赤坂界隈、長浜の魚市場の屋台などなど。

山笠祭の飾り山があちこちに立っていた。

祭りの着物を着た男衆が肩で風を切って歩いていた。

夜も更けているのに、昼間のようだった。

エネルギッシュでうまいものがたくさんありそうな町だなあと私はすっかり福岡が好きになった。

いよいよ明日から3日間上映だ。 眸古ちゃん、本当にお世話になり、ありがとうございました。

[…]

旅する映画 その21 祭りの後

私が寝ていた部屋

2009年6月29日。 8:00起床。

忠夫さんはすでに会社に出かけていた。朝食。

すいとん、パン、梅ジャム、コーヒー。

宮下さんに電話して上映会のことをざっと話す。

紀子さんにも電話をかわった。

岩田さんちの田んぼ

 

 

寿子さんも仕事に出かけていった。

ばあちゃんはデイケアのお迎えが来て出かけていった。

ゆかりちゃんは2日間他の子たちと遊びまわり疲れ気味だ。

がらんとした家になった。

二日間だったけど、家族の気配を感じながら寝泊りした。

こういう家で暮らすのもなかなかいいものだなあと思った。

農カフェです

私は荷物を鞄に詰め始める。

今日は小松夫妻とお昼ご飯を食べてから、実家に帰る。10:00過ぎ、小松夫妻が迎えにやってきた。

紀子さんとお別れだ。

でもこれからもずっと付き合っていく人のような気がした。

鈴木酒店のご夫婦

小松家の車に乗った。

まず、箕郷の鈴木酒店に寄った。

店には調味料、酒など、いいものがそろっていた。

ご夫婦ともいらしたので、お酒の差し入れのお礼を言った。 そして今日のランチの店「サンデールーム」に向かった。

平日というのに店内はにぎわっていた。

自然食の野菜料理だ。

ごはんを食べながら、小松夫妻とゆっくりと話ができてよかった。 食べ終わった頃、少し離れた席で食べていた若い女性がこちらに来て、私に話しかけてきた。

一昨日、梅林の上映会で映画を観たという。

埼玉県でブルーベリー農家をやっていて夫といっしょに観に来たそうだ。

自分の畑でも上映会をやってみたいですと彼女は言ったので、ぜひやりましょう!と私は言った。

ご飯もご馳走になり、高崎駅まで送ってもらった。

小松一家は10月に新得に遊びに来るとのこと。

また会おうねと言って別れた。 湘南新宿ラインに乗り、新宿駅に到着したら、あおもり映画祭の川嶋さんから電話がきた。

私は榛東村の上映会のことをざっと話した。

川嶋さんが青森でまた空想の森の上映ができるように動きますからと言ってくれて嬉しかった。 たくさんの出会い、再会、うまい食べ物、酒、素晴らしい上映会。

本当にありがとうございました。 さあ、次はすぐに福岡アジア映画祭だ。

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