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滋賀県・彦根上映会のご案内 

一人では、できない事も仲間となら2倍・3倍・百倍にもいいものができる!

2010年5月 「空想の森」彦根上映実行委員会代表 奥田 好香

私と「空想の森」との出会いは、2009年10月21日、大津の成安造形大学内の「カフェテリア結」で、知人に誘われて、この時、初めてドキュメンタリー映画を観ました。

主人公の山田聡美さんが、いつも娘のあかりちゃんをおんぶして農作業をされている姿がとても印象的で、映画を観ながら、外の作業だったら、あかりちゃんは「寒くないんやろうか?」とか考えていました。それと、あかりちゃんが、手ぬぐいでほっかむりをして畑に座っていたのですが、草を取るお母さんに近づきたくて、必死にはいはいをして、聡美さんの元まで行こうとし、聡美さんも「おいで」と待ち受けるシーンが、とても微笑ましく、感動的でした。聡美さんは、いつもあかりちゃんに語りかけていました。

私は、この3月末まで、保健師として働いていましたが、子育て中のお母さんから「子どもとどう接していいかわからない」という声をよく聞く機会がありました。聡美さんのように、子どもと寄り添いながら子どものしぐさや泣き声に耳を傾け、子どもに自然体で語りかけられたら、きっと親子の気持ちが通じあい、もっと子育てが楽しくなるのではないかと思いました。

私は、丁度この頃、長年勤めていた仕事を辞める事を決めていたのですが、退職後、何をしたいのかわからず心が揺れていました。上映後、監督が「この映画を自主上映したい人は言って下さい」と言われ、私は、子育て中のお母さん達に是非この映画を観てもらえたらと、即座に「彦根で上映会をしたい」と名乗り出ました。

その直後に2枚の名刺を作りました。映画の自主上映会代表と実家の遠いお母さんや相談相手のないお母さん達が「ほっとできる場所」子育て支援「休み処 結」の名刺です。自分の夢を語る事で、今まで出会わなかった方との新しい出会いが次々とあり、自分のやりたい事がどんどん明確になりました。

今まで、自分を支えていただいた方への「感謝」の気持ちを今度は「自分のできる事でお返しできたら」と考えるようになりました。この映画と田代監督との出会いが、今までの私の自己中心的な生き方を180度変えてくれました。(「空想の森」のホームページの旅日記に詳細が書かれています)

この事をきっかけにお祭り気分で、気軽に観ていただける上映会が出来たらと考えていた所、縁あって、今回、花しょぅぶ通り商店街の「2010アートフエスタ勝負市」と共催でさせていただくことになり、上映会場は、商店街に近い小規模多機能型居宅介護施設「久左のまちや」の2階にある地域交流室をお借りすることになりました。

何かとお忙しいとは存じますが、多くの皆様に観ていただけたらとご案内をさせていただきました。また、お知り合いの方で、この映画に関心のある方や彦根に近い方がおられましたら是非ご案内いただければ幸いです。

「空想の森」彦根上映会(滋賀県) 上映日 : 2010年6月12日(土)・13日(日) 会場 : 社会福祉法人 千歳会「久左のまちや」2階地域交流室 交流スペース 住所 : 彦根市河原二丁目1番3号 上映時間 1回目 11:00~ 2回目 15:00~ 問い合わせ先 空想の森彦根上映実行委員会 奥田好香 090-7887-4637 または 0749-22-1767

旅する映画 その54 北海道・旭川・パラダイスファーム  

今回主催してくれたとりのす農場の藤原有二さん

4月に入った。

共働学舎の育苗ハウスの中は、苗たちがかわいい盛りだ。

十勝は雪も少なくなり、春がやってきた。

人生の節目・旅立ちの季節でもある。

新天地へ移り、新たな暮らしをスタートさせる人、次へのステップのために旅に出る人。

人生のある時期を共有した友人たちが、この春エイヤと動き出す。

私の方は映画が完成して3回目の春を迎える。

今までまいた種が芽を出して、育っていけばいいなあと思っている。

映画をつくるのにもえらく時間がかかったが、上映を広めてゆくことも同じように時間がかかる。

移り変わりの速い情報化社会の中で、私はカメのような歩みを続けている。

映画を自分で直接届けることで、観客の人たちの感覚を肌で感じられる。

そして人との出会いがある。

「空想の森」の上映をすることで人と人とがつながり、その後も様々な形でつながっていっている。

この映画を観たい人はまだまだいるはずだ。

その人がいる限り私は映画を持って上映に行く。

一年前の冬、とりのす農場の藤原有二さんから自主上映をやりたいと電話をもらった。

そして藤原さんは仲間を募ろうと近所の有機農家の人たちに集まってもらい試写会をした。

しかし賛同を得られず、その冬は実現できなかった。

でもいつかきっと上映しますからとメールがきた。

私は「空想の森」は腐る映画ではないからと返信した。 そして一年後の冬、再び彼から連絡が来た。

私はとても嬉しかった。

パラダイスファームでの上映で一番感じたこと。

映画は人を結ぶ。

そして人が映画をつないでいく。

2010年3月6日。 久しぶりの道内の上映だ。

上映機材、物販、シュラフや毛布なども車に乗せ、少し早めに出発。

狩勝峠を越え富良野を過ぎ、美馬牛のゴーシュという店でお昼ご飯と休憩。

自家焙煎のコーヒーがとてもおいしかった。

雪のちらつく中、パラダイスファームを目指す。

上映会場の納屋

少し迷って14:30過ぎに到着。

大正時代の納屋を移築した建物と聞いていたが、とてもおしゃれな感じの納屋。

中に入ると、服、小物、野菜など色んなお店が並んでいてにぎわっていた。

私は主催者のとりのす農場の藤原さんと場所を提供してくれたパラダイスファームの大井健太郎さんにごあいさつをして今日の上映の段取りを確認した。

藤原さんは張り切っていた。

そして日が暮れるまでに時間があるので、私もフリーマーケットを楽しんだ。

綺麗な布を売っているのかと思いきや、フンドシだった。

売っていた女性がとても感じのいい人だった。

東京の人で、フンドシ一本でやっていこうと思い、近々このあたりに引っ越してくるとのこと。

フンドシは全て彼女の手作りで、オーガニックコットンや麻が素材だ。

フンドシのさきっちょに古布のポケットがついていたりしておしゃれなのだ。

紐も古布を使っていた。おばあちゃんの古い着物をほどいて使っているとのこと。

高崎の上映会の時に出会った人からもフンドシの良さを教えられていたので、試してみようと思い、フンドシ2本を買った。

それから愛用しているのだが、すこぶる気持ちがいい。

フンドシ屋さん […]

旅する映画 その47 ブラボー!名古屋上映会

打ち上げ空色勾玉にて

7:00。起床。天気は上々。

気持ちのいい陽が降り注いでいる。よっしゃっー!と身支度を整え下に降り、朝食をいただく。

アキちゃんと久美子さんは6:00から準備をしていた。

荷物満載の北村酒店のバンに乗り込み、アキちゃん夫婦、娘の結ちゃんと会場へ向かった。

本山生協の前にて

8:30。会場は本山生協4階のホール。

店の前にすでに10人以上のスタッフが集まっていた。

空色勾玉の谷陽子さん、事務局長の鶴橋美保さん、加藤貞子さん、べこちゃん、赤石君、高橋さん、長沼さんなどの他、初めて会う人も何人もいた。

若者が多くてなんか嬉しい。

9:00にならないと会場に入れないので、とりあえず車から荷物をおろし、生協の前で簡単なミーティング。

そうこうしているうちに時間になり、4階の会場までみんなで荷物を運びあげる。

体育館のような会場だった。天井が高く床も板張りだ。

これなら音はこもらない。音響的にはとてもいい会場でほっとした。

会場左手が食のブース、手前右がキッズコーナー。正面が受付と物販。

アキちゃんと美保さんが指揮をとり、それぞれが持ち場に分かれ準備を進めていった。

出店の人たちも続々と準備にやって来た。

ふと見回すと30人以上のスタッフがわらわらと動きまわっていた。

椅子を200席ほど並べた。

受付嬢の加藤さんと高橋さん(左から)

スピーカーやアンプなどの音響はアキちゃんの友人たちが自前の道具を持ってきてセッティングしている。

そろそろプロジェクターと業者から借りたDVカムデッキをセッティングしようかという時、問題が起こった。

今回生協のプロジェクターを借りることになっていた。

しかし何かの手違いで他のイベントに貸し出しをしてしまっているとのこと。

プロジェクターがない?ガ-ン。

幸いアキちゃんの友人がプロジェクターを持ってきてくれていた。

少し古いが急遽それを使うことにした。

そしてアキちゃんはもう少し新しいプロジェクターを手配したが一回目の上映には間に合わない。

二回目の上映にそれを使うことにした。

けっこう本格的な音響だった

今回はみんなプロジェクターに不慣れだったため、映像の調整に難航した。

画面の左上に黄色いシミがあり、あまりきれいに映写できない。

これは非常に残念だったがプロジェクターのせいなので仕方がなかった。

しかし音がとてもいいので助かった。

お客さんがどんどんやってきて、外は人であふれかえっているようだ。

焦らないよう自分に言い聞かせながら一番いい状態で上映できるよう調整をした。

11月 22nd, 2009 | Category: 旅する映画 (上映日記), 自主上映情報 | Leave a comment

旅する映画 その46 名古屋へ みのや北村酒店

名古屋駅前

2009年11月7日。 昨日、冬タイヤ(車)に履き替えた。

十勝は雪がちらつく日もあり、冬がもうそこまでやってきている。 帯広空港から名古屋小牧空港へ向かう。

もう何度名古屋に来たことだろうか。

上映では3回目になる。

誰も知り合いのいなかった名古屋が、今では多くの仲間がいる親しい町になった。

|みのや北村酒店

今年一月、シネマスコーレで「空想の森」を観たみのや北村酒店の店主・北村彰彦さんが、自分の町で上映会をやりたいと思い、仲間を集め準備をしてきた。

明日11月8日、いよいよ本番の日を迎える。

夕方、私は北村酒店に到着。

店の横の倉庫では、実行委員の女性たちがチーズを切ったり、案内表示、ポップを書いたり、せっせと明日の準備をしていた。

どんな上映会になるのだろうとみんなワクワクしていた。

現時点で前売りチケットは200枚近く売れているとのこと。

これはすごい数字だ。

こんなに前売りを売っている上映会は初めてだ。

間もなく作業を終え、みんなで北村酒店の立ち飲みへ移動。

11月 20th, 2009 | Category: 旅する映画 (上映日記), 自主上映情報 | Leave a comment

旅する映画 その45 歩いて、出会って。

2009年10月22日。 朝起きると、昨晩は暗くてよくわからなかったが伊藤君の家は、部屋がたくさんあり、中庭も縁側もある純和風の家だった。

なぜか白崎さんが来ていた。 今日は、原田君と彦根の奥田さんと三人で、長浜に中野さんのシンポジウムに行く予定だ。

伊藤君の家

9:00。伊藤君は仕事に出かけていった。

私と原田君と白崎さんは朝食を求めて出発。

定休日の店が多く、結局大きなショッピングセンター内のコーヒー屋で軽く朝食をとる。

原田君は今回の主要スタッフの白崎さん、勝又君と、5月のイベントで初めて会い、その時に「空想の森」上映会の話をして機材などを貸してもらうことになったそうだ。へーと思った。

何かをやろうと決めて動き出すと、出会うべき人に出会うのもなんだなと。

きっと次に彦根で上映会をする奥田さんもそうなるに違いないと思った。

そして白崎さんと別れ、私たちは琵琶湖を左に眺めながら北上し、彦根に向かった。

お昼過ぎ。彦根駅で奥田さんと落ち合った。

近くのちゃんぽん屋で彼女が私たちにご馳走してくれた。

昨日の上映会で会ったばかりだが、奥田さんは今までのことや今の状況、これからの夢などを私たちに一気に話しだした。

自主上映をやろうと決め、奥田さんの中で急速に色々なことが動き出しているのだろう。あっという間に時間は過ぎ、気がついたら13:00を過ぎていた。

私たちはシンポジウムの会場のバイオ大学へ向かった。

琵琶湖環境ビジネスメッセということで、色々なことが行われているらしく、広い駐車場にいっぱい車がとめてあった。

私たちは20分ほど遅れて会場に入った。

中野さんが昨日とはうってかわってぱりっとスーツを着て一番手で講義をしていた。

残り10分ほどしか聞けなかったのが残念だったが、パネリストの方々の実際に活動されている話を聞けてとてもよかった。

パネリストはこんな人たちでした。

パネリストの方々

塩見直紀氏。半農半X研究所代表。永続可能な小さな農ある暮らしをベースに天職、ミッションをおこなうライフスタイルを「半農半X」と呼び、提唱。 大石尚子氏。同志社大学大学院ソーシャル・イノベーション研究コース在籍・染織講師。

糸紡ぎワークショップなどを通じて暮らしのあり方を考える「スロークルーズ」を提唱し、衣の自給の社会的意義と可能性を研究している。 菊池玲奈氏。

滋賀経済同友会・企業と生物多様性研究会。

多様な人々の「思い」を引き出し、自然再生や活性化に結びつけるための「協働プロジェクト」のコーディネーターとして活躍。

私は自分の映画上映で各地を歩きながら、今、多くの人たちが、自分の価値観、何を大切にしてどう生きていくのかということを問い直していると感じている。

そういう意味でも私にとって、タイムリーな話を聴くことができてとても有意義だった。

一人一人の個の意識が、社会を変えていくのに大事な要素なのだと改めて思わされた。

シンポジウムが終わり、原田君と奥田さんも中野さんのストローベイルハウスをいっしょに見に行くことになった。

環境メッセの色々なイベントが終わったらしく、車が一斉に駐車場から出て、琵琶湖沿いの道はしばらく渋滞が続いた。

琵琶湖の夕景は素晴らしくきれいだった。

原田君はいつも対岸の大津側から琵琶湖を眺めている。

彦根側から見る琵琶湖もまた違って素晴らしいもんだなあと言っていた。滋賀の人はいつも琵琶湖を見ていて、気持ちの中にいつでも琵琶湖があるのではないかと思った。

渋滞のせいで随分時間がかかって中野さんの家についた。

車を降りると、風がびゅーびゅー吹いていた。真っ暗でよく見えなかったが、家の前の道を渡るとそこは琵琶湖なのがわかった。 中野先生の家に入ったとたん、私はバンクーバーの空気感を思い出した。バンクーバーにいた時、友達の家に遊びにいった時の感じがよみがえった。 中野さんがいれてくれたコーヒーを飲みながら、藁の家の話をした。「藁の家」とは、藁ブロックを積み重ねて、その上に土などを塗って壁に仕上げた家のことで、英語ではストローベイルハウス(straw bale house)と呼ばれている。壁厚は40センチにもなり、高い断熱性と防音性を生み出すといわれている。 妻の和子さんも帰ってきてご挨拶をした。

活動的な感じの人だ。間もなく原田君と奥田さんは帰っていった。 夕食は中野夫妻と蒔郎君、平君の二人の息子さんとレストランに行った。

中野さんは、バンクーバーのUBCという大学で9年間勉強をしていた。

長男はそこで生まれた。和子さんはバンクーバーでの生活がとてもよかったそうだ。

とんかつを食べながら、カナダのこと、今日のシンポジウムのことなどを話した。

[…]