与那国にて。2010年。
与那国島の「民宿おもろ」のおかみ・マナミさんから電話が来た。
2010年の「空想の森」トロピカルツアーの時に大変お世話になった。
与那国で実現できたのは彼女のおかげでもあった。
彼女は今、与那国についての本を執筆中。
年内には出版するとのこと。
島に対する想いは人一倍強い。
何でも、その本に私も登場するらしく、そのことについての電話だった。
ひとしきり彼女と話し、私は与那国での日々、空気を思い返していた。
マナミさんのブログで、最近感動した文章があったので紹介します。
以下マナミさんのブログより。
平和へ想いを込めて・・・・
沖縄復帰40周年企画 平和行進の成功おめでとうございます。
そして、参加者の皆様、ありがとうございます。
復帰前の沖縄や与那国を私は記憶していません。
まだ、3歳のころです。
私は、平和な与那国島で育ちました。
幼少の頃、もっともっと自然がいっぱいで夜になると家の中の灯りに誘われて世界最大の蛾、
ヨナグニサンが舞い飛んできました。
田んぼや畑のそばの草藪には、ヨナグニサンの繭の抜け殻がたくさんあって、
それを取ってきて小さいファスナーをつけたヨナグニサンの小銭入れがあったことを記憶しています。
観光客のなかにも昔、与那国の空港売店にはヨナグニサンの小銭入れが
お土産物としてたくさんあったという思い出を話してくれた方がいました。
戦争を知らない私に、父がよく話してくれたことがあります。
地上戦がおこなわれた沖縄本島は焼け野原になりすべてを失い食料が無くなってしまった。
すると、この与那国までアメリカの兵隊さんは食料を取りに来たそうです。
子どもだった父が可愛がっていたヤギを泣き叫び抵抗する父から奪っていったそうです。
沖縄に生まれ育った私は、見たこと聞いたこと、自分の経験をとおして、沖縄の心で平和を訴えていくことができます。
私は、この島を訪れる旅人の旅のお手伝いをする宿泊業をしています。
だからこそ、私は、知っています。
人の何倍も感じています。
多くの方々が、この島の何に恋焦がれ、愛して夢を見、何を求めてこの島にやって来るのかを。
それは、豊かな自然です。独特の島の文化、芸能です。
先祖を敬う人々の優しい心にふれ、平和を感じられる島だからです。
そして、私はこの島の良さを日々再確認し、再認識しています。
お客様の中に、この与那国へ沖縄が復帰する前からパスポートを持って通っているお客様がいます。
ずーっと、今もなおそのお客様は年に何十回と島を訪れています。
島特有の植物や生物に心惹かれ興味を持ち島の大自然に癒されています。
島を訪れるお客様に島のことを訊ねられます。
島内に対立する空気を見せてしまう賛成、反対の両方の多数の横断幕。
私は、島を紹介し宣伝する立場としてとても苦悩し、心を痛めています。
この現状をどのように伝えますか?
平和でない島にお客様は癒されますか?
今回、私は、純粋に平和を願う者として、この場で声を挙げます。
与那国の平和とは、与那国の自立とは、何でしょうか?
人々の自立とは何でしょうか?
各々がしっかりとした意見を持ち、声を挙げ主張し、そして互いに人権を尊重しあい
自分の足で立ち自活していくことが真の自立ではないでしょうか?
[…]