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風のたより その13 群馬・竹渕さん

竹渕進さん

 

群馬の竹渕進さんから便りがきた。

「高崎市民測定所クラシル」が4月21日に開設したと。

 

代表は竹渕さん。

2008年にポレポレ東中野まで「空想の森」を観にきてくれて、高崎で上映してくれた人。

高崎市の倉渕というところで百姓をしている。

 

この辺りは、自分の食べ物は自分でつくろうと新規就農した人たちが結構いる。

それぞれ個性的で、いろんな作物をつくっている。

ゆるやかなコミュニティができていてとてもいい感じの地域だ。

 

竹渕さんがやってくれた上映会をきっかけに、その後何度も群馬県で上映会が開催された。

その度にみんながつくった素材でおいしい食事をいただいた。

私は上映を通して群馬県が身近になり大好きになった。

 

去年の秋、私は高崎を訪ねた。

竹渕さんをはじめ、「空想の森」の上映に関わってくれた人たちに、3.11のこと、原発のことについて話をうかがい撮影させていただいた。

竹渕さんの家に泊まらせてもらい、仕事も撮影した。

上映会の時に泊まらせてもらった時も、ああ、撮影したいなあと思っていたので、ほんと嬉しかった。

 

「空想の森」の上映に関わってくてた人は、農にたずさわる人が多かった。

群馬の思いがけない放射能の汚染状況にみんなとまどいの中にいた。

農作物は大丈夫なのか、農業をやっていけるのか…。

私はなんとも言えない気持ちになった。

まっとうに食べ物をつくっている人たちに、原発を推進する人たちと真逆の方向に生きている人たちに、放射能がふりかかるなんて。

私はとにかく頭にきていた。

そして私に何ができるのだろうと考えていた。

 

そんな中、竹渕さんは仲間たちと冷静に勉強し行動していた。

そうなんだ。

竹渕さんはここに暮らしがあって、これからだってここで楽しくよりよく暮らしていくために前を向いて歩いていくんだ、そう私は感じた。

そして自分たちで市民測定所クラシルを開設したのだった。

群馬に竹渕さんがいる、それだけで私は心強くなる。

 

以下は竹渕さんからの便りよりから。

 

クラシルの活動に期待を寄せてくださる会員のみなさま、活動にご協力いただいている賛助会員のみなさまのご支援を受けてようやく開設することができます。

運営委員一同、心よりお礼申し上げます。

4月1日、開設に先立ち、那須にある「非電化工房」代表の藤村靖之先生の講演会をしました。講演の中で藤村先生は「群馬県の放射性物質の降下量は栃木県の1.5倍、汚染された面積も栃木県より広い、薄く広く汚染された状態」と話されていました。このような状況の中、農家や販売者、消費者、子供達を育てるお母さんお父さんなど、身のまわりの実態をしっかり調べ、みんなで学び、群馬の地での暮らし方を考えてゆきたい、という思いを持ったメンバーで運営委員会を立ち上げ、開設準備をしてまいりました。

放射性物質に対して漠然とした不安をいだいている方は多いと思います。

見えず、匂いもなく、感じることができない放射性物質は、測定してみることでしかその存在を確認することができません。クラシルでは、不安があるのなら測定し、もし含まれていたならば、そのことについてどう考え、どんな対策を取っていったらいいのか、勉強会や講演会などを通して一緒に考えてゆきます。

「測定は入り口、その先の未来を共に作ってゆきましょう。」これがクラシルのスタンスです。

今後ともご支援ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

高崎市民測定所クラシル 代表 竹渕 進

 

高崎市民測定所クラシル

住所 〒370-3513 […]

風のたより その12 書評

北海道新聞 2012年4月29日 (日)

 

函館のライター・野村保子さんの書いた『原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし』の書評を書きました。 こんど、PDFでアップします。

 

風のたより その11 東京にて

青山学院大学の入口にて。左から野村さん、私、石川さん。

 

2012年4月22日。

東京。青山学院大学の講堂へ小出裕章さんの講演会を聞きに行った。 落合恵子さんのクレヨンハウスが主催。

 

お昼に表参道で待ち合わせ、野村さん、石川さんとランチ。

久しぶりの乾杯をした。

野村さんは本を書き終えるという山を越し、また違う境地になっているようだった。

 

 

講堂へ向かうまでの道の新緑が気持ちよかった。

講堂入口は続々と人が集まってきていた。

1700人の会場は満席だった。

私たちは、野村さんの関係で、前方左側の招待席に案内された。

周りを見ると、錚々たる人たちが座っていた。

弁護士の海渡雄一さん、評論家の佐高信さん、作家の澤地久枝さん、作家の渡辺一枝さん、企業としていち早く脱原発を表明された城南信用金庫の理事長吉原毅さん、東京新聞「こちら特報部」のデスク田原牧さんなど。

私は小出さんのお話を聞くのは初めてだった。

今の福島原発がどういう状態なのか、食べ物のこと、がれきの処理について、小出さんの考えがよくわかった。

そして何よりもこどもを守りたいという小出さんの気持ちが伝わってきた。

小出さんの好きな絵本・『花さき山』の朗読を落合恵子さんがしたり、これも小出さんの好きな沢田研二さんの曲を流したりして、とても素晴らしい演出だった。

途中、画像が出ないというちょっとしたハプニングがあったが、司会の落合さんが素晴らしい対処とフォローをしていて、さすがだなあと思った。

最後に、「小出さん頑張ってくださいとは言いません。原発を止めるために、それぞれ自分に何ができるかを考えて、いっしょに歩いていきましょう。」というようなことを落合さんは言った。

ほんとにそうだと私も思った。

 

クレヨンハウス。

講演会が終わって、クレヨンハウスで打ち上げ。

「沢田研二の歌がよかったね。」などと話しながら、私たちは海渡さん、佐高さんといっしょに歩いて向かった。

クレヨンハウスは、素敵なところだった。本屋さん、地下にレストラン、やおやさんなどもあり、小さいこども連れの家族など、大勢の人でにぎわっていた。

たくさんのおいしい料理が出てきた。私は海渡さんと同じテーブルだったので、お酒を楽しみながら色々お話をして楽しかった。

澤地久枝さん、渡辺一枝さん、佐高信さん、海渡雄一さん、田原牧さん、鎌田慧さんなどが参加し、それぞれのテーブルで話がはずんでいた。

小出先生はこれが楽しみなんですと言って、おいしそうにお酒を飲んでいた。

 

 

落合さんは色んなところに気を配っていた。

私も野村さんに紹介してもらってご挨拶した。ほんと、パワフルな方だった。

 

著作にサインをする野村さん。

野村さんと石川さんは田原さんの本を持ってきていて、サインをしてもらった。

とても喜んでいた。

 

 

[…]

風のたより その10 相棒

パナソニックAG-DVX100A。私のキャメラ。

昨年末あたりから、調子が悪くなってきた。

無理もない。2005年から酷使してきた。

 

それまで私は16ミリフィルムで撮ってきた。

ビデオキャメラに切り替えて撮影することを決心するまでずいぶん時間がかかった。

切り替えた当初、デジタルのミニDVテープがとても心もとなく感じた。

 

それから7年。

壊れてからでは遅いので、予備のキャメラを買わなくてはいけなくなった。

同じキャメラで新しいものを。

と探したら、もう製造中止で売っていない。

今はSDカードやハードディスクに記録するキャメラが主流になっている。

やっとミニDVのキャメラに慣れてきたのに、ホントついていけない。

 

年明けに新しいキャメラを買った。

今度はデジタルキャメラで使うものと同じSDカードで記録する。

テープというものがなく、素材は即データになる。

こんなんで大丈夫なのだろうかと大変心もとない。

 

デジタルはいつデータが消えてしまうかわからない。

だからバックアップをしなくてはいけない。

ハードディスクも消耗品。

ずっともつわけじゃない。

 

そんなこんなで、今編集機材がそろったのだけど、バックアップの外付けハードディスクをくっつけたり、

今までのデーターをバックアップし直したりという作業をしている。

 

キャメラは壊れるまでこれでいこうと思っている。

なんだかんだいってもこのキャメラで被写体の人たちと交流してきたから愛着がある。

大事に使うので、なんとか今の作品を撮り終えるまで頑張ってほしい。

 

いつかは消えてなくなる。

それは何もデジタルのものに限ったことではないか。

 

風のたより その9 ただ今準備中

風の映画舎・のらくろ編集室。

ただ今準備中。